ある卸系の販促誌に、今春からの診療報酬改定を前に、「(ジェネリック医薬品は)ブランド品消費大国に馴染むでしょうか?」と、日本人のブランド志向という感覚にジェネリック医薬品は似合わないと、使用促進に冷ややかな記事が掲載された。使用促進が進まないおそれを懸念したというより、筆者自身もジェネリックには好意的ではないような印象を受ける。
ところでブランド(品)とは何か。非ブランド品との違いは何か。
贋作なら、模倣品でありブランドと偽って消費者を騙し、犯罪性がある。ジェネリックはそれとは違う。
衣服や鞄、食品などを例に、ブランド品と非ブランド品の違いを考え、それがどこまでジェネリック医薬品にも外挿できるか考えてみよう。
非ブランド品は、衣類や鞄の場合、外見的に魅力に欠ける(主観的評価)。食品なら、見た目の違い以上に、口に入れた際に、明らかに味や香り、食感等が異なる。どちらが旨いかも主観だが、食べ比べてみたら、おそらく大差がつくのではないだろうか。
ジェネリックはどうか。薬は、そもそも外見は本質ではなく、それほどおしゃれセンスは重要とされない。目隠しして、先発医薬品と後発医薬品と飲み比べたら、どちらが先発品か多くの者にわかるのだろうか。誰もが認めるほど、効果に明らかな違いがあるのか。
衣類や鞄のように、持っていることを誇示して、周囲もブランド品だとわかり、うらやましく思うのか。先発品しか飲まないのも、一種の“セレブ”のように扱われるのだろうか。
本物を知らない人は、それが先発品だよ、と言われれば、へぇーそうなんだ、と思って受け入れるだけのことだろう。後発品だと言わなければ、誰もわからないのではないか。薬の場合、品質や機能、外観の良否とは無関係である。単に、どちらが先に世に出たかどうかの違いにすぎないように思う。
好んで先発品を飲む人は、優越感というよりも、自己満足や安心感はあるだろう。ステイタスも感じるのだろうか。人前で服薬していたら、「あ、先発品を飲んでいる」などと羨望の眼差しで見られるのだろうか。食品のような、誰にでもわかるほど、味に格段の差があるわけでもない。
ジェネリック医薬品は非ブランドであっても、安かろう・悪かろうではあるまい。価格差の分だけ、品質面で劣っている部分があるようには思われない。
銘柄別収載と一般名収載とで分けられ、銘柄収載でないからブランド品ではない、という程度のことにすぎないようにも思われる。少なくとも、エルメスやヴィトン、プラダのような例を持ち出して、ジェネリックが受け入れられにくい、と危惧するのは勘違いではないかと思う。
この記事中でとくに解せないのは「複数の病院薬局長に聞いたところ、後発医薬品の品質に対する信頼性が低いため、「医師は患者さんから信頼されない限り、変更不可にするだろう」ということでした」と紹介しているところだ。複数って、2人だけなのか、過半数程度を指すのか、それ以上の確率を指すのか、あいまいである。少なからず、ある一定の多さで、そういう薬局長がいるのだろうか。
その薬局長のいる病院では、信念を持ってブランド化を進めてもらいたい。信頼性が低いことを、大きな声でもって訴えていってもらいたい。ジェネリック全般を対象に、どのような理由からそう言うのか、教えてもらいたい。
ところでブランド(品)とは何か。非ブランド品との違いは何か。
贋作なら、模倣品でありブランドと偽って消費者を騙し、犯罪性がある。ジェネリックはそれとは違う。
衣服や鞄、食品などを例に、ブランド品と非ブランド品の違いを考え、それがどこまでジェネリック医薬品にも外挿できるか考えてみよう。
非ブランド品は、衣類や鞄の場合、外見的に魅力に欠ける(主観的評価)。食品なら、見た目の違い以上に、口に入れた際に、明らかに味や香り、食感等が異なる。どちらが旨いかも主観だが、食べ比べてみたら、おそらく大差がつくのではないだろうか。
ジェネリックはどうか。薬は、そもそも外見は本質ではなく、それほどおしゃれセンスは重要とされない。目隠しして、先発医薬品と後発医薬品と飲み比べたら、どちらが先発品か多くの者にわかるのだろうか。誰もが認めるほど、効果に明らかな違いがあるのか。
衣類や鞄のように、持っていることを誇示して、周囲もブランド品だとわかり、うらやましく思うのか。先発品しか飲まないのも、一種の“セレブ”のように扱われるのだろうか。
本物を知らない人は、それが先発品だよ、と言われれば、へぇーそうなんだ、と思って受け入れるだけのことだろう。後発品だと言わなければ、誰もわからないのではないか。薬の場合、品質や機能、外観の良否とは無関係である。単に、どちらが先に世に出たかどうかの違いにすぎないように思う。
好んで先発品を飲む人は、優越感というよりも、自己満足や安心感はあるだろう。ステイタスも感じるのだろうか。人前で服薬していたら、「あ、先発品を飲んでいる」などと羨望の眼差しで見られるのだろうか。食品のような、誰にでもわかるほど、味に格段の差があるわけでもない。
ジェネリック医薬品は非ブランドであっても、安かろう・悪かろうではあるまい。価格差の分だけ、品質面で劣っている部分があるようには思われない。
銘柄別収載と一般名収載とで分けられ、銘柄収載でないからブランド品ではない、という程度のことにすぎないようにも思われる。少なくとも、エルメスやヴィトン、プラダのような例を持ち出して、ジェネリックが受け入れられにくい、と危惧するのは勘違いではないかと思う。
この記事中でとくに解せないのは「複数の病院薬局長に聞いたところ、後発医薬品の品質に対する信頼性が低いため、「医師は患者さんから信頼されない限り、変更不可にするだろう」ということでした」と紹介しているところだ。複数って、2人だけなのか、過半数程度を指すのか、それ以上の確率を指すのか、あいまいである。少なからず、ある一定の多さで、そういう薬局長がいるのだろうか。
その薬局長のいる病院では、信念を持ってブランド化を進めてもらいたい。信頼性が低いことを、大きな声でもって訴えていってもらいたい。ジェネリック全般を対象に、どのような理由からそう言うのか、教えてもらいたい。