『セブン-イレブンの「16歳からの経営学」』 勝見明・著、宝島社・発行、2005年11月。
鈴木敏文が教える「ほんとう」の仕事。
p.48-9 理想と現実を連動させるこの目標を、“駆動目標”と呼んでいます。駆動目標はビジョンを具体的な活動に近づけ、現場での対話や実践と連動させるための“行動の基準”となるものです。
駆動とは「動力を与えて動かすこと」だ。つまり、駆動目標とは、一人ひとりを動かして、ビジョンを達成するための日常的な目標ということだ。
世の中にはビジョンを掲げる企業が数多くある。いずれもすばらしいものばかりだが、ほとんどの場合、ただ額縁に入れて飾るだけで、社員にはあまり理解されず、現実とは結びつかない。それは、駆動目標が明確になっていないからだ。
目標には到達したい状態や意義を示す目的部分と、そのために具体的にどのような行動をとっていくのかという行動目標、そして行動がどの程度実践されているかを客観的に表す目安値があると考えているが、後2者がまさにこの駆動目標にあたる。
方針と、関連してしばしば降りてくる具体的な指示や、まるで整合性がないときは、方針はえてして建前であって、本音は別のところにあることが往々にしてある。大義名分のもと、要は自己都合というようなこともある。それでは現場は自発的に動こうとは思わないだろう。
p.68 仮設力をつけるには、まず、目の前にやるべき価値が見えたら、自分で自分に妥協しない。挑戦には必ずリスク(危険性)をともなうが、3~4割のリスクがあっても、自分の中で6~7割の可能性が見えれば挑戦する。これが踏み込むということだ。
かなりの確率で成功することが見込まれるか、前例があってそのまま移植すれば利益がでると期待できなきゃ、決断のできない上層部がいるという話を聞くが、経営を担う資質に欠けると思われる。おそらく、自分たちの業務の本質を理解していないのだろう。
p.155 多くのヒット商品はイノベーション(革新)によってもたらされる。そして、あらゆるイノベーションは両立しない二つのことがらを両立させ、矛盾を解消することによりもたらされる。
p.205 OFCが銀行から転職したのは「企業の利益優先で仕事に成功しても顧客の喜びに結びつきにくい現実に失望した」からだった。
p.208-9 いちばん問題なのは、人間は苦しくなればなるほど過去の成功体験に縛られ、もう位一度同じことをしようとすることです。そのため、今来ている顧客にばかり目が向いてしまい、商品も今ある商品にばかり目が奪われてしまう。ここで問われるのは、従来どおりの品揃えで満足する顧客だけを相手にするか、それとも新しい顧客を開拓する意欲を持つかです。
p.220 何回話しても、相手が自覚し、行動に結びつかなければ、話したことにはなりません。一方、相手が自覚し、納得すれば、難しい問題でも自主性が出て求めた以上のものが出てきます。
p.254-5 経営のあり方は、市場の環境や競合相手などさまざまな要因を分析して導き出されるものであるという考え方があります。これは“市場原理の経営”です。これに対し、自分たちは何のために仕事をするのか、存在価値はどこにあるのかを問いながら、自分たちの前に浮かび上がった未来の可能性を一つ一つ現実のものにしていく経営があります。ひとびとの主体的なかかわりによって支えられる“人間原理の経営”です。
経営の本質は、それにかかわるひとびとの未来に自分を投じていこうとする生き方そのものであることを、わたしたちはもう一度認識すべきです。
以前と同じことをやって当てようという、二匹目のドジョウを期待するようでは、目先を重視した経営、開拓性に欠けた姿勢といってもよい。自分たちの顧客は誰であるか、社会の中での存在価値を明確に認識できていれば、明日を見据えた活動が模索できていくkとだろう。
p.256 挑戦しない限り、新しいことはできない。顧客が求めるものは日々変化しますが、ものごとの本質は不変です。
鈴木敏文が教える「ほんとう」の仕事。
p.48-9 理想と現実を連動させるこの目標を、“駆動目標”と呼んでいます。駆動目標はビジョンを具体的な活動に近づけ、現場での対話や実践と連動させるための“行動の基準”となるものです。
駆動とは「動力を与えて動かすこと」だ。つまり、駆動目標とは、一人ひとりを動かして、ビジョンを達成するための日常的な目標ということだ。
世の中にはビジョンを掲げる企業が数多くある。いずれもすばらしいものばかりだが、ほとんどの場合、ただ額縁に入れて飾るだけで、社員にはあまり理解されず、現実とは結びつかない。それは、駆動目標が明確になっていないからだ。
目標には到達したい状態や意義を示す目的部分と、そのために具体的にどのような行動をとっていくのかという行動目標、そして行動がどの程度実践されているかを客観的に表す目安値があると考えているが、後2者がまさにこの駆動目標にあたる。
方針と、関連してしばしば降りてくる具体的な指示や、まるで整合性がないときは、方針はえてして建前であって、本音は別のところにあることが往々にしてある。大義名分のもと、要は自己都合というようなこともある。それでは現場は自発的に動こうとは思わないだろう。
p.68 仮設力をつけるには、まず、目の前にやるべき価値が見えたら、自分で自分に妥協しない。挑戦には必ずリスク(危険性)をともなうが、3~4割のリスクがあっても、自分の中で6~7割の可能性が見えれば挑戦する。これが踏み込むということだ。
かなりの確率で成功することが見込まれるか、前例があってそのまま移植すれば利益がでると期待できなきゃ、決断のできない上層部がいるという話を聞くが、経営を担う資質に欠けると思われる。おそらく、自分たちの業務の本質を理解していないのだろう。
p.155 多くのヒット商品はイノベーション(革新)によってもたらされる。そして、あらゆるイノベーションは両立しない二つのことがらを両立させ、矛盾を解消することによりもたらされる。
p.205 OFCが銀行から転職したのは「企業の利益優先で仕事に成功しても顧客の喜びに結びつきにくい現実に失望した」からだった。
p.208-9 いちばん問題なのは、人間は苦しくなればなるほど過去の成功体験に縛られ、もう位一度同じことをしようとすることです。そのため、今来ている顧客にばかり目が向いてしまい、商品も今ある商品にばかり目が奪われてしまう。ここで問われるのは、従来どおりの品揃えで満足する顧客だけを相手にするか、それとも新しい顧客を開拓する意欲を持つかです。
p.220 何回話しても、相手が自覚し、行動に結びつかなければ、話したことにはなりません。一方、相手が自覚し、納得すれば、難しい問題でも自主性が出て求めた以上のものが出てきます。
p.254-5 経営のあり方は、市場の環境や競合相手などさまざまな要因を分析して導き出されるものであるという考え方があります。これは“市場原理の経営”です。これに対し、自分たちは何のために仕事をするのか、存在価値はどこにあるのかを問いながら、自分たちの前に浮かび上がった未来の可能性を一つ一つ現実のものにしていく経営があります。ひとびとの主体的なかかわりによって支えられる“人間原理の経営”です。
経営の本質は、それにかかわるひとびとの未来に自分を投じていこうとする生き方そのものであることを、わたしたちはもう一度認識すべきです。
以前と同じことをやって当てようという、二匹目のドジョウを期待するようでは、目先を重視した経営、開拓性に欠けた姿勢といってもよい。自分たちの顧客は誰であるか、社会の中での存在価値を明確に認識できていれば、明日を見据えた活動が模索できていくkとだろう。
p.256 挑戦しない限り、新しいことはできない。顧客が求めるものは日々変化しますが、ものごとの本質は不変です。