何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

承認条件とは離れた部分での同等性を

2007-05-27 22:13:36 | くすり雑感
 昨日、第一回日本ジェネリック医薬品学会が笹川記念会館で催された。使用促進に向けて目を引く発表はなかったが、医師、薬剤師を中心とした積極的な説明が必要だと繰り返し述べられていた。

 後発医薬品は、先発品とあらゆる面で同一ではないが、臨床使用上同等と考えてよいというレベルのコンセンサスを得るにはもう少し時間がかかるような気がした。医療従事者の中に、抵抗感を示す者がいるのだ。その最たるものが、昨年の日本医師会によるアンケートである。

 後発品の承認条件は、生物学的同等性や溶出試験で十分品質が担保されているとされるが、承認条件とは少し離れた部分で違いを感じざるをえない側面がないだろうか。それは、OD錠や点眼液、湿布薬などでの使用性に関する部分だ。味、刺激性、粘着性といったものは、臨床効果の同等性を確保するという意味での品質上の承認条件とは、直接関係しない。しかし、臨床ではけっしてないがしろにできない部分である。気にするな、ガマンしろとは言えない。

 そういった違いを感じさせる原因を残したまま、承認上同等性が確保されていることを繰り返し強調していても、使ってみれば違いを感じざるをえないのだから、ジェネリックに対する不信感や信頼性は改善されていかないように思われる。

 かといって、それらまで承認条件で同等性を求めていれば、開発費に跳ね返ってくる。最大のメリットである価格差が得にくくなる。製薬メーカーも、そういった部分に、いい意味であれば違いを持たせ、差別化する余地があるとはいえ、気遣いを欠くと、結果としてジェネリック全体の信頼を損ねることになることに気づくべきではないかと思った。いや、気づいているメーカーもあるかもしれない。

 承認条件部分さえ整えれば、残された部分は自由で、どうでもいいのではない。承認上求められていなくても、先発品と遜色ない状態を主体的かつ自主的に確保しておくことが大切ではないか。近いうちに「先発品とは違う」段階から「同等と考えてよい」段階へと信頼を得ないと、使用実態は遅々として進まないばかりか、使用促進を図ろうとしても、しばらくの間、両者の主張がかみ合わないままさらに時間を費やしてしまうのではないか、と思った。

 使用感の違いは、飲んだり点眼したり、“味見”をしてみるわけにはいかない部分である。メーカーが主体的に改善する部分ではないだろうか 
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取り組みを考える際のキーワード

2007-05-27 13:14:19 | 薬局経営
入門の入門「対話で学ぶ経営品質」寺沢俊哉・著、生産性出版、2003年。 p.55~56

 自分勝手な価値判断ではなく、お客様の価値観で自らの品質を振り返る。その事によって、もっともっとよい仕事ができるはず。「顧客本意に基づく卓越した業績を生み出す仕組み」経営品質では、この考え方を大切にしているのです。

 あなたの仕事に対してお給料を払ってくれるのは、直接的には上司、あるいは経営者かもしれません。ただ、もともと会社にお金をもたらしてくれるのは、お客様以外にいません。どんな協力者であっても、ふつうは、あなたがお金を払う方だからです。

 次の呪文を問いかけてみましょう。
「その仕事は、本要にお客様のためですか」「なぜそうと言えるのですか」
「その改善は、本要にお客様のためですか」「なぜそうと言えるのですか」


 自分たちの仕事を振り返る、また今後の号構成や取り組みを決断するのあたり、自問自答するような、まさに“呪文”である。本当にこれでいいかな、当たらなくても、少なくとも間違った方向に行ってはいないよな、一瞬立ち止まってみるときに有効だ。

 これと同じようなことが、『トヨタの口ぐせ』(中経出版)p.56~59 にもあった。

 「給料はお客様からもらっている」で仕事を見ると・・・
 給料はお客様からもらっている。これが仕事の基本だ。だから、堤は顧客企業の指導を行なうとき、最初にこの基本を徹底させる。
 そのうえで、トヨタで「仕事における五大任務」とされている①安全(安全・衛生・環境)、②品質、③生産、④原価、⑤人事、について説明する。「給料はお客様からもらっている」から出発すると、五大任務についての理解が表面的なもので終わらず、より深いものとなる。

 たとえば「品質」の話をするときはこうなる。
「給料はお客様からもらっている。だから、お菓子メーカーなら、お客様がまずいと感じるものはつくってはいけない。品質が大切です」
 たとえば「生産」の話をする場合はこうなる。
「給料はお客様からもらっている。だから、お客様が欲しいと思ったときに品物ができていないといけない。それに応えられる生産体制が大切です」

 「給料はお客様からもらっている。だから・・・」どうすればいいんだ?、そう考えて見ることでどういった取り組みをどのようにすればよいかが見えてくるというのだ。これもまさしく呪文だろう。

 言い方は違うが、物事を考える出発点、軸足の置く位置は共通している。ここを迷っていては、やりかたや取り組みの程度が大きくことなってくる。結果として業績にも差がついてくるだろう。

 困ったときや未知を切り開くときには、ぜひこの呪文をおもいだすことにしよう。あらゆる場面をマニュアル化できるものではないし、各々の異なる事例に対して、どうしてよいか迷ったときにこのおまじないを唱えてみることで、自信を持って物事を進めていきたい 
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