何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

誰の安全を確保するための体制か

2007-05-08 13:39:13 | 薬害は人災だ
 大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」でジェットコースター「風神雷神2」の脱線事故が起こったが、

コースター「探傷試験」を義務化、検査基準規則に明記へ 5月8日11時1分配信 読売新聞

 建築基準法は、遊戯施設やエレベーターについて、6か月~1年ごとに定期検査の実施を義務付けている。実際には、財団法人「日本建築設備・昇降機センター」の「業務基準書」や、日本工業規格(JIS)の検査基準などに基づき実施。JIS基準の場合、車軸については年1回以上の探傷試験を行い、亀裂や甚だしい摩耗がないことを確認するよう求められている。しかし、現行の建築基準法施行規則には具体的な検査基準はなく、JIS基準の運用についても、「業界の努力目標に過ぎない」のが実情だった。

コースター事故、法令に「探傷試験」を明記…国交相 5月8日11時54分配信 読売新聞

 同園は、15年間一度も車軸を交換せず、今年1月の定期検査で、超音波などで車軸の亀裂などを探す「探傷試験」を実施しないまま、「A(不適合の指摘なし)」と吹田市に報告していた。

 この問題では、日本工業規格の検査基準で、1年に1回探傷試験を実施するよう明記されていたものの、建築基準法などでの位置づけがあいまいだった。このため、冬柴国交相は、「今回の定期検査が、虚偽とか、偽装とかは言えない」とした上で、「(定期検査内容の)法的位置付けがわかりにくい。法令上にはっきりわかるようにして、探傷試験をしていただくことになると思う」と述べ、探傷試験など具体的な検査方法を建築基準法施行規則などに明記していく方針を明らかにした。

 検査基準が具体的ではないうえ、努力目標にすぎない位置づけだったので、いいかげんな管理体制であっても問えないようだ。今回の事故をきっかけに、急遽、点検を強化した遊園地がたくさんあるだろうが、非常に危うい状態でアトラクションが動いていると思っていたほうがよさそうだ 

 昨今、焼肉屋ではBSEに関連して牛肉が安全である旨を表示するようになったが、遊戯施設でも前回の点検はいつ行ったか、どのような検査を行い、どのような結果であったかを表示でもするようになるのだろうか。

 何でもそうだが、そこまでしなきゃ、利用者にとっては安心できない世の中だ。自己管理、自主基準に任せていたのでは、安心できない。第三者認証が意味を持ってくるのはこういうことだろう。しかしISO9001を取得していても、その運用が顧客の視点を基準にした体制でないと、さまざまなトラブルが起こる。

 経営者の姿勢や考え方が体制に反映されるので、安全管理や教育といったところをどのくらい重視し、実施しているかどうかで、その組織の実力がわかるといえるだろう。

 薬局における医療安全管理指針や業務手順書も同様だ。当初は現行の体制でスタートするのもうやむをえないが、時間の経過とともにその中身をどこまで改善していけるか、質的向上を図れるかで、実態に差がつく。マニュアルの有無ではなく、運営体制に込められた思想が安全確保に根ざしているかどうかで、中身が天と地ほどの差ができる。運用実績を見れば、その薬局の実力がわかってしまうだろう 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする