┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃ -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃ 2010.5.16 Sun. 通巻58号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みたキタ企画、薬剤師のsukeです。
このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が適切に使用
されることを目的として、話題を提供しています。
◆ジェネリックの使用をためらっている一般のかた
◆ジェネリックの適切な使用促進に悩んでいる薬剤師
◆ジェネリックについて興味や関心のあるあなた
といった皆さんにお読みいただきたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ ジェネリックの医薬品名(名称)について(訂正)
──────────────────────────────
前回、ジェネリックの医薬品名(製品名)について、商標ではなく、
成分名をそのまま用いている製品のほうが何かと有用である、
とお伝えしました。
ところが2年ほど前から、ジェネリック医薬品は承認申請を行うにあたり、
厚生労働省から製品名は一般名(成分名)で申請するよう指導されている
ことがわかりました。
つまり、それ以降に出されたジェネリックであれば、
製品名に商標がつけられておらず、成分名さえ覚えていれば、
どのような薬剤であるかはすぐわかるようになっています。
薬剤を商標で覚えていた人は、成分名を基本に医療が遂行できるように
アタマの中を切り替えていけばいいわけです。
一方、先発品は商標で市販されます。
やがてジェネリックが出されるまでに、成分名で理解できるようにしておくこと
が求められます。
薬剤情報提供文書などにも成分名を併記しておくと、いいのかもしれません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ 個別の事情をもって、一般論のように言ってはいけない
──────────────────────────────
ある薬局で、ジェネリックに変えたところアレルギー症状がみられた
患者さんがいたとのこと。
しかし後からその患者さんには、ジェネリック中のある添加物が体質に
合わなかったことが判明しました。
残念なことに、その事例をもって、ジェネリックに変えるのは危険だとする
薬局があるようです。
先発品とは違う添加物が用いられているから、
ジェネリックでは副作用が起こることがあるというのです。
添加物を比べてみるととわかりますが、組み合わせの違いこそあれ、
先発品とジェネリックとで、用いられている添加物はそれほど変わりません。
------------------------------------------------------------
たとえば、Xという添加物が体質に合わない人がいたとします。
ある先発品AではXが用いられておらず、
そのジェネリックではXが用いられていた・・・、
しかしある先発品BではXが用いられており、
そのジェネリックではXが用いられていない・・・、
そのようなことがいくらでもあるのです。
体質に合わない添加物がわかっているのなら、ジェネリックであろうと
先発品であろうと、その人にとってアレルギーの危険性があることに
変わりはありません。
ゆえに、あるAという先発品をジェネリックに変更してアレルギーが
見られたことをもってジェネリックに変えるのは好ましくない、という
ように、ジェネリックの一般論に置き換える論調に、私は首肯できません。
Xという物質が合わないだけのことであって、ジェネリックの品質に
問題があるのではなく、先発品・ジェネリックの区別なく避けるべき
ではないでしょうか。
──────────────────────────────
もう一例。
ある鎮痛剤をジェネリックに変更したら、効かなくなったと訴えてきた
患者さんがいたそうです。
外観が異なるとのこと。コーティングの状態が違うのでしょうか・・・。
それを聞いた薬剤師が、飲んでから溶け出す時間が異なるかもしれない
と考え、それが「効かない」原因ではないかとコメントしたとのこと。
残念ながら、この判断も適切ではないと思います。
なぜなら、ジェネリックでは薬の効きかたについて先発品と比較している
からです(生物学的同等性試験)。それによって同等と判断されたから
承認されているわけです。
もし明らかに異なるのであれば、コーティングの違いによるものではなく、
そのジェネリックの試験そのものが疑われることになります。
試験データが疑われるのであれば、承認されたこと自体がおかしいと
言っているのと同じです。
------------------------------------------------------------
先発品との効き目の違いを訴える患者さんがいるのは事実(現実)です。
しかし、それはあくまでも主観にほかありません。それだけでジェネリックに
ついて製剤的評価を下すのは早計すぎます。
ジェネリックを使用しているという先入観がそういう気持ちを抱かせている
可能性はおおいに考えておかねばなりません。
“そういう気がする”という訴え自体、気のせいである可能性が十分考えられ、
であるからこそ、よくある誤解や考え違いをしないよう、予めよく説明しておく
必要があるのではないかと考えます。
──────────────────────────────
添加物の違いでアレルギー症状が見られたとしても、それは他の人でも
みられるのではなく、“その人”だけの問題にすぎません。
それをもってジェネリックは問題があると、ジェネリックの一般論にする
のは、ナンセンスなことだと思います。
また、効き目が違うような気がするとの訴えにおいても、それだけで
ジェネリックは効き方が異なることがあると説明する薬局があるとしたら、
ナンセンスなことだと思います。
薬局や薬剤師の一部に、ジェネリックに否定的である場合があります。
まったくもって、残念であると思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さてみなさんも、日頃、何か気になっていることはないでしょうか。
ジェネリックにまつわるエピソードやこれらについて、是非お知らせください。
また取り上げてほしい話題、感想等、些細なことでも構いません。
お送り先は、 tamsuke@gmail.com です。
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)
お待ちしています! それではまた次回! (^^)/
============================================================
☆☆☆【みたキタ企画よりお知らせ】
みたキタ企画では、ジェネリックについてご相談をお受けしています。
●個人的な疑問がある、相談したいという要望(一般のかた)
●ある集まりで、話をして欲しいという要望(一般のかた)
●どうやってジェネリックを進めていくとよいか悩んでいる(薬剤師)
ご要望があれば相談に応じますので、ご遠慮なくお知らせください。
現状から一歩前進できるよう、そのお手伝いができればと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆☆☆ メールマガジン 【ジェネリック de リ・スタート!】
■発行 : みたキタ企画
■発行人: suke
■ご感想やご質問等の宛先 --> tamsuke@gmail.com
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)
------------------------------------------------------------
■発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
■購読希望(メールアドレス登録・変更)・配信停止はこちら
http://www.mag2.com/m/0000286496.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃ -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃ 2010.5.16 Sun. 通巻58号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みたキタ企画、薬剤師のsukeです。
このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が適切に使用
されることを目的として、話題を提供しています。
◆ジェネリックの使用をためらっている一般のかた
◆ジェネリックの適切な使用促進に悩んでいる薬剤師
◆ジェネリックについて興味や関心のあるあなた
といった皆さんにお読みいただきたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ ジェネリックの医薬品名(名称)について(訂正)
──────────────────────────────
前回、ジェネリックの医薬品名(製品名)について、商標ではなく、
成分名をそのまま用いている製品のほうが何かと有用である、
とお伝えしました。
ところが2年ほど前から、ジェネリック医薬品は承認申請を行うにあたり、
厚生労働省から製品名は一般名(成分名)で申請するよう指導されている
ことがわかりました。
つまり、それ以降に出されたジェネリックであれば、
製品名に商標がつけられておらず、成分名さえ覚えていれば、
どのような薬剤であるかはすぐわかるようになっています。
薬剤を商標で覚えていた人は、成分名を基本に医療が遂行できるように
アタマの中を切り替えていけばいいわけです。
一方、先発品は商標で市販されます。
やがてジェネリックが出されるまでに、成分名で理解できるようにしておくこと
が求められます。
薬剤情報提供文書などにも成分名を併記しておくと、いいのかもしれません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ 個別の事情をもって、一般論のように言ってはいけない
──────────────────────────────
ある薬局で、ジェネリックに変えたところアレルギー症状がみられた
患者さんがいたとのこと。
しかし後からその患者さんには、ジェネリック中のある添加物が体質に
合わなかったことが判明しました。
残念なことに、その事例をもって、ジェネリックに変えるのは危険だとする
薬局があるようです。
先発品とは違う添加物が用いられているから、
ジェネリックでは副作用が起こることがあるというのです。
添加物を比べてみるととわかりますが、組み合わせの違いこそあれ、
先発品とジェネリックとで、用いられている添加物はそれほど変わりません。
------------------------------------------------------------
たとえば、Xという添加物が体質に合わない人がいたとします。
ある先発品AではXが用いられておらず、
そのジェネリックではXが用いられていた・・・、
しかしある先発品BではXが用いられており、
そのジェネリックではXが用いられていない・・・、
そのようなことがいくらでもあるのです。
体質に合わない添加物がわかっているのなら、ジェネリックであろうと
先発品であろうと、その人にとってアレルギーの危険性があることに
変わりはありません。
ゆえに、あるAという先発品をジェネリックに変更してアレルギーが
見られたことをもってジェネリックに変えるのは好ましくない、という
ように、ジェネリックの一般論に置き換える論調に、私は首肯できません。
Xという物質が合わないだけのことであって、ジェネリックの品質に
問題があるのではなく、先発品・ジェネリックの区別なく避けるべき
ではないでしょうか。
──────────────────────────────
もう一例。
ある鎮痛剤をジェネリックに変更したら、効かなくなったと訴えてきた
患者さんがいたそうです。
外観が異なるとのこと。コーティングの状態が違うのでしょうか・・・。
それを聞いた薬剤師が、飲んでから溶け出す時間が異なるかもしれない
と考え、それが「効かない」原因ではないかとコメントしたとのこと。
残念ながら、この判断も適切ではないと思います。
なぜなら、ジェネリックでは薬の効きかたについて先発品と比較している
からです(生物学的同等性試験)。それによって同等と判断されたから
承認されているわけです。
もし明らかに異なるのであれば、コーティングの違いによるものではなく、
そのジェネリックの試験そのものが疑われることになります。
試験データが疑われるのであれば、承認されたこと自体がおかしいと
言っているのと同じです。
------------------------------------------------------------
先発品との効き目の違いを訴える患者さんがいるのは事実(現実)です。
しかし、それはあくまでも主観にほかありません。それだけでジェネリックに
ついて製剤的評価を下すのは早計すぎます。
ジェネリックを使用しているという先入観がそういう気持ちを抱かせている
可能性はおおいに考えておかねばなりません。
“そういう気がする”という訴え自体、気のせいである可能性が十分考えられ、
であるからこそ、よくある誤解や考え違いをしないよう、予めよく説明しておく
必要があるのではないかと考えます。
──────────────────────────────
添加物の違いでアレルギー症状が見られたとしても、それは他の人でも
みられるのではなく、“その人”だけの問題にすぎません。
それをもってジェネリックは問題があると、ジェネリックの一般論にする
のは、ナンセンスなことだと思います。
また、効き目が違うような気がするとの訴えにおいても、それだけで
ジェネリックは効き方が異なることがあると説明する薬局があるとしたら、
ナンセンスなことだと思います。
薬局や薬剤師の一部に、ジェネリックに否定的である場合があります。
まったくもって、残念であると思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さてみなさんも、日頃、何か気になっていることはないでしょうか。
ジェネリックにまつわるエピソードやこれらについて、是非お知らせください。
また取り上げてほしい話題、感想等、些細なことでも構いません。
お送り先は、 tamsuke@gmail.com です。
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)
お待ちしています! それではまた次回! (^^)/
============================================================
☆☆☆【みたキタ企画よりお知らせ】
みたキタ企画では、ジェネリックについてご相談をお受けしています。
●個人的な疑問がある、相談したいという要望(一般のかた)
●ある集まりで、話をして欲しいという要望(一般のかた)
●どうやってジェネリックを進めていくとよいか悩んでいる(薬剤師)
ご要望があれば相談に応じますので、ご遠慮なくお知らせください。
現状から一歩前進できるよう、そのお手伝いができればと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆☆☆ メールマガジン 【ジェネリック de リ・スタート!】
■発行 : みたキタ企画
■発行人: suke
■ご感想やご質問等の宛先 --> tamsuke@gmail.com
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)
------------------------------------------------------------
■発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
■購読希望(メールアドレス登録・変更)・配信停止はこちら
http://www.mag2.com/m/0000286496.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━