新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ミズワラビ:水蕨(水に生える蕨) 

2010-09-13 06:54:59 | 植物観察1日1題

高槻市の田んぼでミズワラビ:水蕨(ミズワラビ科ミズワラビ属)を見かけました。
形が一見ワラビに似ているので、ミズワラビの名がある1年生のシダ植物ですり。
大阪府絶滅危惧Ⅱ類に指定されているとおり、除草剤に弱くて最近は姿を見ることが少ないのですが、地中の胞子が生きていて、鋤き返した田んぼに再現することがあるといいます。
本州、四国、九州の水田、沼沢地などの水中または湿地に生え、葉は束生し、高さ20-60cm、栄養葉は葉幅が広くて短く、水中の若葉は単葉になり、胞子のつく葉は細長く羽状に分裂します。
ミズシダ、ミズボウフウ、ミズニンジンの別名があり、葉は食用になります。

ハナトラノオ:花虎の尾(直立する虎の尾) 

2010-09-11 07:57:22 | 植物観察1日1題

残暑とはいえない猛暑続きで、野外へ出ることがめっきり減りました。
ネタ切れで困る目に入ったのが、近所のハナトラノオ:花虎の尾(シソ科ハナトラノオ属)です。
長い花穂のぐるりに花がつく様から、オカトラノオを連想しこの名が付いたと思われますが、オカトラノオはサクラソウ科で、ハナトラノオはシソ科ですから、まったく違う仲間です。
茎が四角なところからカクトラノオの別名があります。

パンパスグラス(目立つ白く大きい穂)

2010-09-08 10:24:16 | 植物観察1日1題

淡輪のせんなん里浜公園にパンパスグラス(ダンチク科コルタデリア属)のふさふさした穂が潮風に揺れていました。
ブラジル南部からアルゼンチンにかけての地方原産の大形の多年草で、シロガネヨシとも呼ばれます。
わが国には明治時代に入り、公園などに植えられています。
茎や葉は密に茂って大きな株をつくり、高さは穂を含めると2~3mにもなります。
9~10月茎の先に長さ40~80cmの銀白色の穂をつけます。
雌雄別株で、雄株の穂は貧弱なため、観賞用に栽培されているのはほとんどが雌株だそうです。

ゴマ:胡麻(ゴマがはじけて開く扉) 

2010-09-06 20:25:50 | 植物観察1日1題
ゴマ:胡麻の花が咲いています。
インドまたはエジプト原産といわれる古くから栽培される1年草で、ナイル川流域では5千年以上も前から栽培され、わが国でも縄文時代の遺跡からゴマが出土しているといいます。
春に種子を蒔き秋に収穫します。茎は4角で直立し、高さ1mくらい、葉は長さ10cmくらいで長柄があります。
花は夏、花冠の長さは2.5cmくらい、筒状の先は5裂し、雄蕊4本は2本ずつ長さが異なります。茎と花の形から一見シソ科と思いましたがゴマ科ゴマ属でした。
果実は長さ2.5cmくらいで、4室からなり、種子は品種によって、黒、白、金などがあり、海外で使われるのはほとんどが白胡麻といいます。
ごま油といえば日本料理ににもよく合う食材ですが、わが国で消費されるゴマは99.9%までが輸入品だということです。
「アリババと40人の盗賊」に出てくる秘密の扉を開ける呪文の「開けゴマ」は有名ですが、ゴマの種が鞘からはじけ出る様に由来しているとの説があるそうです。

カンナ:(昔の人気はいまいずこ)

2010-09-05 07:50:31 | 植物観察1日1題

夏の植物園にカンナ(カンナ科カンナ属)が咲いています。
観賞用の花にも流行り廃りがあるようで、一昔前はどこの庭にも見られたカンナも、いまではときどき忘れられたように咲いているのを見るだけになりました。
同じように忘れられていたダリアが、新しい品種の出現で人気回復してきたのに比べ、昔ながらのカンナの人気は落ちたままです。
アジア、アフリカ、アメリカの熱帯地域に多くの原種があり、それらをもとに多くの園芸品種がつくられてきました。中には根茎を食用にする品種もあることから、観賞用の品種をハナカンナと呼ぶこともあります。
ショウガのような根茎を持つ多年草で、高さは1m前後、紡錘形の葉は緑色と赤みの強いものがあり、白粉をふきます。
花期は6~9月、花弁のように見えるのは雄蕊が変化したもので、その外側に小さい花弁があります。
Canna は、ケルト語でアシ(芦)の意で、茎がアシと同じように管状になっていることからきています。

マキエハギ:蒔絵萩(そのまま図案に) 

2010-09-04 18:23:53 | 植物観察1日1題

マキエハギ:蒔絵萩(ハギ科ハギ属)が小さな花をつけています。
細い花柄がすーと直線的にのびて、丸い葉がきれいに並ぶ姿が、蒔絵の筆法を思わせることからこの名がついています。
本州から琉球の丘陵や山地の日当たりのよい草地に生える多年草あるいは半低木で、茎は細くて堅く、高さは30~60cmになります。
夏から初秋にかけて、細長い花柄の先に、肉色またはほとんど白色お長さ4~5mm蝶形花を数個つけます。よく見ると枝先の葉脇には閉鎖花がついています。

サルビア:ヒゴロモソウ(夏の日に真っ赤に燃える)

2010-09-03 17:20:16 | 植物観察1日1題

真夏のような太陽を受けて花壇を真っ赤に彩っているのがサルビア(シソ科)です。
熱帯から温帯にかけて500種以上の仲間が1年草または半低木状の宿根草として自生しているそうですが、日本には明治に中ごろ入り、1年草として栽培されます。
写真はサルビア・スプレンデンスいわれる品種で、真っ赤な花からヒゴロモソウ:緋衣草とも呼ばれています。単にサルビアといえばこれを指すほど代表的なもので、庭や公園に広く栽培されています。
サルビア属の中にはセージといって香辛料とする植物も含まれています。また、この属には薬用植物もあるのでラテン語の“いやす”という言葉から、学名のSalviaが作られたそうです。

ツルレイシ:蔓茘枝(甘味料つき強力二色効果) 

2010-09-02 11:56:31 | 植物観察1日1題

もともと沖縄料理に使われてきた野菜で、いまではゴーヤあるいはニガウリの名で、すっかりおなじみになっていますが、イボに覆われた果実の外観と、完熟すると仮種皮が甘くなるという性質がムクロジ科のレイシ(ライチ)に似ていることからきたレイシ:蔓茘枝という和名はあまり使われていません。
最近では、食材を兼ねて、夏の日覆い代わりに家庭に植えられることが多くなり、自治体によっては省エネ推進の意味で、苗を配布するところもあるようです。
ウリ科ツルレイシ属のつる性1年草で、紡錘形の果実の表面は小さいイボで覆われます。
果実は熟すと黄色く軟化し裂開、中から赤い種子が顔をだします。青くて未熟な果皮は苦いですが、熟して黄色くなった果皮は甘くて食べられますし、赤くて粘り気のある仮種皮の部分も甘味があります。野生状態では、この強力な二色効果と甘い味で種子散布の鳥などを誘っているとおもわれます。

セリモドキ:芹擬き(伊吹にはないイブキゼリ) 

2010-09-01 09:12:43 | 植物観察1日1題

セリモドキ:芹擬き(セリ科セリモドキ属)が8月末の伊吹山で白い花をつけていました。
本州中部地方以北の日本海側に多く分布する日本特産種の多年草で、草丈30~90cmになります。
葉は2回3出複葉で、小葉は不規則に切れ込みます。
セリ科の植物はもともと同定が難しいものですが、セリモドキにはDystaenia ibukiensis .と学名に伊吹の名が入っているのに対し、別に種名に伊吹の名を冠したイブキゼリ(セリ科シラネニンジン属:Tilingia holopetala)というのがあるそうですので、素人観察者の頭は混乱してしまいます。
結局頼りにしたのが“伊吹山自然観察ガイド”という本の、「本山にあるのはセリモドキで、イブキゼリは産しない」との一節から、自信ないながらもセリモドキと見立てました。