新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

タチバナ:橘(不老不死の妙薬)

2008-10-27 06:57:36 | 植物観察1日1題

第11代垂仁天皇の命を受けた田道間守が、不老長寿の霊薬といわれる常世の国の、非時の香果(ときじくのかぐのこのみ)を艱難辛苦の後に探し出し帰国したとき、すでに帝は崩御し復命がかないませんでした。田道間守は叫び泣いて自ら死(みま)かります。今、奈良西ノ京の垂仁天皇陵の堀に浮かぶ小島が田道間守の墓と伝えられます。
タチバナ:橘(ミカン科ミカン属)は、元来食用蜜柑を総称する古名ですが、我が国固有種で最も古くから存在する種として、一応ニッポンタチバナがあてられていますが、実際には暖かい海岸地方などにごくまれに自生するといわれ、めったに見られません。*
御所の右近の橘はこれに近いといわれますが、自生種より大きい果実をつけるそうです。
写真は、おなじみのウンシュウミカン(温州蜜柑)で、果皮が薄く、無種子で、美味、普通ミカンというとこれを指すほどミカン類の代表的品種です。中国中部原産のものを日本で改良したとも、我が国で偶発実生としてできたものともいわれます。“温州”はミカンで有名な中国浙江の南にある海岸の地名で、単に有名な産地の名前を借りただけとのことです。

*後日、古市の小学校に「羽曳野市の木」として植えられている「タチバナ」に実がなっているのを見かけました。キンカンより少し大振りな真ん丸い実でした。一つだけいただいて味わってみたら、たしかに蜜柑の味でした。