新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
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道端のしたたか者、スベリヒユ

2005-09-19 06:23:14 | 植物観察1日1題
まだ暑さが残る道端で、スベリヒユ(スベリヒユ科)が夏負けもせず、地面に這い蹲るようにして小さな花をつけてがんばっています。
畑の雑草であるが、路傍や荒れ地にも生育しているスベリヒユは、葉は厚ぼったく、光沢がり、茎も多肉質であり、暑さや乾燥に強い対応能力を持っています。
C3、C4、CAMと3態ある植物の光合成の仕方のなかで、このスベリヒユはc4であると同時にCAMでもあるという進んだ方法をとっており、このことが痩地にも強く乾燥にも耐えるこの草の強さの秘訣とみる学者もいます。
園芸店で人気の松葉ボタンやポーチュラスと呼ばれる花スベリヒユなどは、このスベリヒユの改良種です。
スベリヒユの名の由来は、“滑りヒユ”の意で、ゆでて食べるとき粘滑であるとか、葉や茎が滑らかであることから来ているとも言われます。別名の“5色草”というのは、葉は緑、茎は赤、花は黄色、種は黒、根が白いということから来ています。
昔から食用にされていたようで、ゆでてよく水に晒し、和え物、お浸し、酢の物、汁の実に、あるいはてんぷらにもなり、食材の少ない夏場の野草料理に欠かせません。もっとも便通に薬効あるこの草は食べ過ぎると下痢をするので要注意です。