新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
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いやがられの植物、ヤブガラシ:藪枯 

2005-07-21 06:06:47 | 植物観察1日1題
春になるとあちこちから赤色がかった芽を出し、5枚の子葉を持つ掌状の葉(鳥足状複葉)を広げ始めると、留まることなく伸びて、木にかぶさるように覆い尽くすので、時として日光をさえぎられた木を枯らしてしまう、ヤブガラシ:藪枯(ブドウ科)は、名前通りいやがられる植物の代表です。別名もビンボウヅル、ビンボウカズラなど、どれも喜ばれていないことは明らかです。
ところが、6~7月ごろ咲く花は、集散状の花序をつけ、米粒の様な蕾を沢山つけます。4枚の花弁を持つ小さな花は一度には咲かず、ボツボツ咲きます。咲いた花は萼が退化、緑色の花弁、雄蕊4、雌蕊1で、開花するとまもなく花弁と雄蕊は散り落ち、あとに雌蕊と子房を取りまく花盤が残ります。花後の花盤は赤黄色から淡紅色に変わります。全体で見ると、薄緑、黄色、淡紅色の三色がほどよく混ざり合って、名前に似ず案外可愛いいものです。
この嫌がられの蔓、中国では漢方薬になり、また柔らかい新芽は和え物や、てんぷらにすれば結構いけるといいますから、あながち迷惑ばかりとはいえません。