新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

その名もずばりトケイソウ 

2005-07-18 06:57:42 | 植物観察1日1題
家の石垣に下がった蔓にトケイソウ:時計草(トケイソウ科)が、一日だけの花をいくつも開いています。
ブラジル原産で、古い本には、享保8年に長崎に入ってきたとあるそうです。
長く延びる蔓性の植物で、花に特徴があり、名前を聞けば誰でも納得顔をするほど時計に似ています。
花被片は10枚で白く、5個の萼片と5個の花弁が交互につきます。3つに分かれるこげ茶色のめしべが時計の針のように見え、黄色く大きい5個の雄蕊の葯が花枝の先でひらひら動きます。花被の上にたくさんの糸副伏冠が二重の円を作って並び、その色は基部が暗紅色、中間は白、先は薄紫色ときれいで、時計の目盛りにも見えます。
時計草がどんな風に開花するか観察してみました。花は午前10時ごろいっせいに開きはじめます。蕾が開き始めて、花弁が全開するまで僅か5分位、ついで蕾の中で雌蕊を抱くように直立していた5個の雄蕊が、急にぴょこんと花粉のある面を外側に反らし、水平になります。まるで駅の電気時計が分針を動かすような感じです。この雄蕊の展開を含めて開花の時間は約10分、動きが早やくて面白いので見ていても飽きません。
見れば見るほど変わった形の時計草ですが、形だけではなく咲き方も時を刻んでいるようです。(琉球地方でトケイソウの実としてパッションフルーツの名で売られているそうですが、正しくはよく似た花を持つ同じトケイソウ科のフルーツトケイソウの実です。)