新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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今はいずこに大和撫子:カワラナデシコ

2005-07-20 06:19:27 | 植物観察1日1題
カワラナデシコ:河原撫子(ナデシコ科)は、単にナデシコともいわれ秋の七草の中でもおなじみの花ですが、実際にはもっと早く6月ごろから咲き始めます。
名前に河原とついていますが、必ずしも河原に限らず山や野に普通に生えます。
茎は細く草丈が60~100cmで自力では直立できず、先で分枝します。扇形の花弁の先が深く裂け、淡紅色の糸のようになり優美な姿です。撫でたいくらい可愛い花というのが名前の由来で、万葉の昔から愛情、母性愛のシンボルとして詩歌にも歌われてきました(万葉集に26首)。
別名の“大和撫子”は、やさしくて従順で献身的な日本の女性を形容する言葉でもありましたが、戦時中銃後(古い!)を守る健気な女性としてこの言葉が多用されたり、なによりも大和撫子的女性が少なくなったためか、最近ではほとんど死語になったようです。
セキチクとの交雑で改良種の伊勢撫子は、花弁の切れがさらに細く長く伸びるのが特徴で愛好されています。差し芽でも種蒔きでも簡単に殖やせるので栽培が容易な山野草といえます。