簾 満月「バスの助手席」

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きびだんご(はれのくに)

2016-02-17 | Weblog
 昔から岡山土産の定番として知られているのが「きびだんご」だ。
もうずいぶんと昔の話ではあるが、ある雑誌の「わがふるさとをかたる」と言う企画
の中で、岡山出身の作家・吉行淳之介はこんな風に語っていた。

『岡山名産と言えばキビ団子だが、あれはそううまいものでない。大手饅頭のほう
がよいが、昔の圧倒的な旨さはない』





 岡山地方は古代、吉備の国として栄えたところであるが、元々この地は五穀の
一つである黍(きび)の産地でもあったことからこの名が付いたと言う。



 その昔吉備の国に派遣された吉備津彦命に、土地の老人が黍入りの団子を差し
出したのがきびだんごのルーツとされ、その後江戸時代になって、お茶席でも食べ
られる様に求肥製に作り変えられたものが今日土産物として知られる「きびだんご」
である。



 もともと「きびだんご」は、黍(キビ)を粉にして形を整え蒸したもので、どこでも日
常的に食べられていたが、このままでは美味しくないので、餡を付けたり、味の付
いた汁をかけて食べていた。
それが次第に味付けの工夫がされ、お菓子に変化を遂げ、更に日持ちを良くする
改良が加えられてきた。





 最近のキビ団子は、その原料のほとんどはもち米らしく、それに水飴や砂糖で
味付けしキビ粉を塗すのが主流のようで、昔のそれと比べれば美味しさは格段に
向上していて、本当においしくなっている。

 更に黒糖を使ったり、色々なシロップを包み込んだり、きな粉を塗したりと様々な
工夫もこらされていて、お土産としての品揃えも豊富だ。
そんな「きびだんご」は今も昔も岡山を代表する定番土産として、不動の地位を築い
ていることに間違いはない。(続)


  

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