簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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大手饅頭  (はれのくに)

2016-02-19 | Weblog
 岡山のお土産として、忘れてはならないものに「大手饅頭」が有る。
多くの岡山県人が、県外に持っていくお土産では定番と言われるほど不動の地位
を築いている。





 備前米を材料とした糀から甘酒を作り、それに小麦粉を加え発酵させた生地を
極薄く伸ばした皮で、北海道産小豆から作る小ぶりに丸めた漉し餡を包み蒸し上
げた酒饅頭で、そんな饅頭の味を引き立てているのが名水の誉れも高い、「雄町
の冷泉」である。



 出来上がると中の餡が透けて見え、黒と白のまだら模様になった饅頭は、一つ
一つ丁寧にセロハンで包まれ、更にパッケージに入れられ店頭に並ぶ。



 夏の時期ならパッケージのまま一晩冷凍庫で凍らせ、冷菓として食べても美味し
いし、古くなったものは蒸直したりレンジなどで軽く温めれば大丈夫だ。

 また製造工場の直営店で入手出来るまだぬくもりの残る作りたては、豊潤な香り、
甘酒のコクと餡の甘さがまろやかに調和した味が最高で、これに勝るものは無い。



 大手饅頭は江戸時代岡山城下大手門近くに構えた店で誕生し、以来170有余年
の歴史ある岡山名物として知られてきた。今も本店を京橋付近に構えている。

 その昔、藩主池田公がひどくお気に入りになり、茶席などで愛用されたことから
「大手まんじゅう」の名称を賜ったとされている。



 店は一時不遇の時代が有ったようだが若くして亡くなった二代目の未亡人・梅は、
女手一つで家業を引き継ぎ守り抜いて、今日大手饅頭の中興の祖と言われている。
その思いは饅頭が入れられた巾着様の梅柄パッケージに今も生き続けている。(続)


  

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