
近年「海の復権」をテーマに、三年に一度、瀬戸内海の2つの港と12
の島を会場に、現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」が開かれている。
今日ではテレビや雑誌等でも取り上げられ、広く海外にも知られるよ
うになり、期間中のみならず、会期後も会場となった島などに多くの観
光客が訪れる様になった。

港会場は宇野港と高松港周辺で、12の島というのは直島、 豊島、女
木島、男木島、小豆島、大島、犬島と、春のみ開催の沙弥島、秋のみ開
催の本島、高見島、粟島、伊吹島である。
何れも岡山と香川の沖合、瀬戸内海に浮ぶ小島で、宇野港とはフェリー
で結ばれている。

「美しい自然と人間が交錯し、交響してきた瀬戸内の島々に活力を取
り戻し、瀬戸内が地球上のすべての地域の「希望の海」となることを目
指しています。(公式HP)」
一時寂れた宇野の町にも、カジュアルなカフェやゲストハウスが建ち、
町中でも芸術作品が身近に見られるようになり、宇野駅にも外国語の案
内が用意されるように成った。

多くの訪問客は、大きなトランクを下げ、岡山から宇野線に乗ってや
って来る。ところが瀬戸大橋線の開通で、同線の茶屋町~宇野間は、完
全なローカル線と化し、直通する電車は少ない。多くは茶屋町で、同じ
ホームとは言え乗り換えとなる。
終点の宇野駅で改札を出れば、フェリー乗り場までは国道を越えて凡
そ500m程を歩くことになる。

芸術祭の開催は、鉄道とフェリーを再び活気付けつつあるようだ。
地元の商店街にも足を運んで欲しいものだが、客は大きなトランクを引
きずって町歩きなどはせず、フェリー乗り場に直行する。
荷物の移送サービスでもあれば、訪れる人々も身軽な町歩が楽しめ、
商店街にも活気が戻るのではないか、とその姿を見ては思う。

フェリーの減便で苦境の船会社等が、こんなサービスを始めれば良い
のにと何時も思う。そしてJRも、宇野線の岡山からの直通運転を今一
度見直してほしい。
宇野復権に向け官民一体で、まだまだやれることはあるのではないか、
こんなことを廃線を歩きながら考え、願っていた。(玉野市電廃線跡を歩く・完)
来週から「東海道五十七あるき旅・摂津国」編が始まります。
東海道歩きもいよいよ大詰め、上がりの大阪・高麗橋を目指します。


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