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簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

海抜ゼロメートル地帯(JR乗り潰しの旅・関西本線)

2017-01-04 | Weblog
 キハ75形気動車の「快速・みえ」は、名古屋から関西本線を走り、途中伊勢鉄道
線・紀勢本線・参宮線を経由して鳥羽まで運行している。
並走する近鉄鳥羽線の近鉄特急に対抗、巻き返し策として投入された列車だ。





 名古屋を出ると暫くは市街地を見ながら近鉄線と並走する。
ここらあたりは広大な濃尾平野の南端で、多くの河川が伊勢湾に向かって流れ込
む低湿地帯、いわゆる海抜ゼロメートル地帯だ。
 江戸時代に遠浅の海を干拓して開かれた新田をベースに発展したこの地域は、
伊勢湾台風(昭和34年・台風15号)では甚大な被害をこうむったところでもある。



 途中の弥冨(快速停車駅ではない)はそんな地域を象徴するような駅で、地上駅
として日本一低いところにあり、海抜は何とマイナス0.93mである。



 愛知と三重の県境を越え揖斐川を渡ると「快速・みえ」は最初の停車駅・桑名に
停車する。
ここは『その手は桑名の焼き蛤』で知られたところで、江戸時代の東海道「七里の
渡し」の一方である桑名の宿が設けられた宿場町でもある。
更にここには伊勢神宮の一の鳥居が建つ伊勢の国の、また伊勢神宮参拝の玄関
口としても大そう賑わった土地柄だ。



 熱田神宮の門前町・宮の宿(名古屋)からは、佐屋、長島を経て桑名に至る、所謂
陸路の「佐屋回り路」が整備されていたが、木曽三川が複雑に絡み合うこの湿潤な
「輪中」地帯を通ることで降りかかる水禍を恐れ、当時の多くの旅人は、宮から桑名
までの海上7里を舟に身を委ね、旅の束の間の安息としていたようだ。(続)



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