スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

霊水湧く寺から花山法皇隠棲の地まで

2007-05-09 22:30:03 | 西国三十三箇所めぐり
昨日訪ねたのは、4箇寺。
奈良~大阪~兵庫を股にかけ播州路をひたすらカーナビを頼りに、走り回った。
全走行距離375km。午前7時30分から午後7時30分まで、実運転は8時間以上。チョット疲れたが、まだ余力あるのです。 


<25番札所  御嶽山 清水寺(きよみずでら)>

場所:兵庫県加東市平木1194


先に訪ねた「一乗寺」から約1時間で「御嶽山清水寺」に到着。
駐車場までの3km区間は、お寺の道路(?)なのか入り口で入山料を支払った。
約5分間のドライブで標高500mを一気に登り、朱塗りの仁王門前に着く。

寺の名前は「清水寺(きよみずでら)」。
名前の由来は、インドから来たといわれる僧、法道仙人が水の乏しいこの地のために水神に祈願し、霊泉が湧き出るようになったことから付けられたとか。

このお寺は、その昔から幾度かの火災で焼失。大正時代には根本中堂、大講堂を再建、仁王門は台風で倒壊したものを昭和55年に再建されている。
重厚な建物ではなく華やかな趣で、ちょっと違和感を覚えるが、これもいいものだ。

坂上田村麻呂が奥州征伐の必勝祈願をした際に奉納したという太刀が国の重要文化財として保管されている。
本尊は法道仙人が作られた十一面観音である。

このお寺でも、当日は「花まつり」で、甘茶の接待を受けたのです。かなり甘かったので・・・・。でも、頂きました。

参拝者は我々を含めて4名だけ。広大な境内だけに、余計にひっそりとした佇まいのお寺であった。


仁王門。昭和40年の台風で全壊。昭和55年に場所を変えて再建。朱色に塗られたのは平成4年。明るく輝いている。

左側の大講堂の横の石段を登ると「根本中堂(627年創建。大正2年炎上、6年再建。)」に至る。

大講堂(登録文化財。725年創建。大正2年焼失、同6年再建。)



<番外札所  東光山花山院菩提寺>


場所:兵庫県三田市尼寺352


本堂(左)と薬師堂(右)は小さい。十一面観世音菩薩が祀られている。 

花山法皇が観音霊場再興の旅の途中に、この地の美しい山に魅せられ、浄願達成のあと、訪れたのがこの「阿弥陀ガ峰」だったとか。

境内からの眺望は素晴らしく、有馬富士を眼下に、遠くには播州平野、明石海峡を望める。
このお寺で花山法皇は余生を過ごし、更に修行を重ねることになるのである。

花山院バス停からの「琴弾坂」はかなり急な坂で、歩くと30分以上掛かる。でも、門が閉まる5時までに着かなければならないため止むを得ず車で登る。(勿論、言い訳なのだ。)参道協力費として500円を支払うことに・・・。団体でのバスは全員、徒歩で「琴弾坂」を登っておられたが・・。

軒下に付けられたこの菊の紋は16片だ。目立つ紋だ! 天皇直系の印しなのだ。


標高374mの有馬富士が眼下に見られ、眺望が素晴らしい。

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「西の比叡山」と「伝説の寺」へ・・・。

2007-05-09 17:35:00 | 西国三十三箇所めぐり


<27番札所  書寫山 円教寺>



場所:兵庫県姫路市書写2968

西国三十三箇所の中で、一番西に位置する「書寫山円教寺」。
朝、7時30分頃、自宅を出発。
まだ通勤ラッシュの真っ只中を一路、兵庫県姫路市まで高速道路を乗り継ぎ10時30分頃、姫路市書写のロープウェイ乗り場に到着。

書写山(300mくらい?)にある「円教寺」へは、ロープウェイ(往復900円)で4分。更にマイクロバス(往復1000円 志納金300円含む)で5分程で本坊事務所前まで。楽チンな巡礼(?)である。
どうやら山の裏手に車が通れる道があるとのことだが、お寺関係の車しか通せないとのことだった。

966年性空上人が書寫山に草庵を営み創建したお寺である。
バスを降り茶店の前に立つと、大和・長谷寺と同じような勇壮な舞台造りの摩尼殿(如意輪堂)が聳える。周りの新緑のモミジが覆っている。本尊の如意輪観音は2代目とか。

「はなまつり」の最中とかで、「甘茶」が振舞われていた。ちょっと飲んだが・・甘すぎて・・・ゴメン!

更に摩尼殿の裏手を通り、800年の老木や新緑のモミジを潜りながら進むと、3つの堂がコの字形に建っていた。真ん中に「食堂(じきどう)」右に「大講堂(釈迦三尊像)」左に「常行堂(念仏修行所)」。これらは室町初期の建立で重要文化財である。

途中には、新緑のモミジの中に宿坊などが朽ちかけたままで佇んでいたが、これもこのお寺ならではの趣である。

更に奥の院まで歩き全てのお堂を巡れば2時間を要すると聞いて、摩尼殿で納経帳と掛け軸に宝印を頂き、再びバス・ロープウェイで下山。 
今日は「はなまつり」とあって、参拝者、観光客も多く、15分間隔のバス・ロープウェイも往復とも一杯であった。既に正午が過ぎていた。

昼食の後、姫路城(白鷺城とも呼ばれている)を運転席から眺めながら、次の26番札所「法華山 一乗寺」に向かった。


山門。 

「三つ堂」。室町初期の建物で威容な佇まいで、要塞を思わせる。

ロープウェイで書写山に登る。4分間のパノラマは絶景。遠くには淡路島が見えるとか・・。今日はモヤのため残念!

本坊事務所前のバス乗り場近くで見かけた綺麗な花。お寺関係者に聞いたが不明。どなたかご存知でしょうか?



<26番札所  法華山 一乗寺>


場所:兵庫県加西市坂本町821-17

本尊は「聖観世音立像」。奈良時代の作で重要文化財である。

開基は法道仙人。仙人は山にこもって修行し、食べ物が必要な時には「鉄鉢」を飛ばして、お布施として貰っていたとか。
あるとき瀬戸内海を官米を満載にしていた船を見て、ささやかな「お布施」を求めたが断られたという。すると、飛んで帰る「鉄鉢」に続いて、積荷の米俵も続いて飛んできたという・・・・・。
このような伝説の僧で、孝徳天皇時代に「一乗寺」を建立。更に後醍醐天皇時代に大講堂を建立されたのだ。
また古文化財を収蔵していることでも知られ、優美な「三重塔」、「絹本着色の聖徳太子画像」は国宝。その他、重要文化財が多い。

このお寺でも「はなまつり」が催されていた。地元の世話方が揃いの法被姿で、屋根瓦の寄進、甘茶の振る舞いを行っておられた。
夜店屋台も数軒出ていて、賑わいをみせていた。

長く、急な石段を登の途中に「仮本堂」があり、ただ今は本堂の改修工事中であり、立ち入り出来ない。
本堂前には、国宝の三重塔が、重ねた年月が感じられる黒色でどっしりとした佇まいで建っている。


本堂は改修中。7年ほど前から着工しているが・・・まだ完成していないのだ。写っていない手前には防護柵がしてあった。

右手奥に見えるのが仮本堂。

コメント (3)
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