いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

接吻道祖神

2007年06月14日 10時02分25秒 | 兎に角書きたいの!
 桜木町近くの古書店へぶらりと入った。店構えは小さいが書棚を眺めていくうちになかなか良い書籍が並べられている。壊れかけのメガネを操作しながら棚に並ぶ背表紙の文字を追った。すると「ペルシャ陶器」三上次男著の本が目に留まった。ペルシャ陶器に関する本は、神田神保町、デパートで開催される古書展などに通いほとんどは購入している。目に留まった本は持っている気がして購入は控えたが家で確認したところもっていないなかった。
 また、棚の隅に重ねられていた「日本の石仏」(編集発行・日本石仏協会)定価2,200円を1,200円で購入した。古書としては結構いい値段である。本書は1996年発行で創立20周年記念号と印字され、見出しの「記念論稿 接吻道祖神 宮島潤子」に惹かれたのである。
 以前、長野の安曇野へ行き道祖神めぐりをしたことがあり、そのときは「接吻道祖神」には全く気がつかなかった。写真にも収めたが道祖神に関するこれらの資料を探してもどこに収蔵したか姿を現してこない。いずれの時期にと思っている。
 宮島潤子氏の論稿の書き出しをみると。
「近世の信州中部を中心とした道祖神像のうち、相思相愛の二神の姿を表現している双体像は最も有名で、なかでも衣冠束帯、十二単衣の男女神のレリーフ像を祖系とする、いわゆる安曇系の分布は関東、中部にまで及んでいる。……」と記述されている。そして、双体像を分類し、①肩組握手型、②抱擁立像、③接吻立像、④交合像もまれにはあるが、①の肩組握手型が一般的には一番多いそうだ。
 接吻道祖神については、各所に散在する像を集録し、著者は「接吻道祖神の最も魅力的な部分、すなわち表情と姿態について触れておきたい……」と色々な角度から論じられている。そして、浮世絵師鈴木晴信(1725~70)作の「風流座敷八景 手拭掛帰帆(通称・お刺身)・大英博物館蔵)にたどり着いている。
 また、横浜市弘明寺の秘仏(弘法大師作)の写真が掲載されている。接吻道祖神との繋がりである。近くに住んでいて弘明寺の中を見学したことがない。長野は遠いが、近くに接吻道祖神と変わらぬ秘仏が祭られていることにいささか驚いた。機会を見て探索してみようと思っている。
 インターネットでは、「石造 道祖神」のページでは鮮明な写真と作者のコメントが掲載されてている。
 
コメント
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