穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

「ヒトラーの超人、マルチン・ハイデガー」

2015-04-01 18:30:17 | ハイデッガー

突然ですか本日徘徊中に立ち読みした本の報告です。

白水社「ヒトラーと哲学者」イヴォンヌ・シュラット(憶えにくい名前ですね)

4104円と高価なので例によって立ち読みしました。タイトルの「ヒトラーの超人 マルチン・ハイデガー」の章だけ30ページほど読みました。

なかなか大した人物でしたな。いちいち出典を上げているから信用していいのでしょう。もっとも同様のノンフィクションは戦後早い時期から多数出ているのでしょう。それらの再録、要約版かもしれませんが、便利なことには変わりがない。

著者の年齢からすると、この本は本国でもそんなに古い本ではないようです。立ち読みなんでその辺の書誌情報は控えて来ませんでした。

ハンナ・アーレントあての手紙なんか多数出ている。これは彼女が生前提供したのか、あるいは彼女の遺品から出て来たのか。巻末の参照リストを観れば分かるのでしょうが、店員の目を気にしながらの立ち読みなのでご報告できなくてすみません。

いずれにせよ、彼女は終生愛人ハイデガーの手紙を大切に保存していたわけです。 

これで読むと、ハイデガーはギンギラギンの突撃隊長ですな。これほどとは思わなかった。これでニュルンベルグ裁判で被告に成らなかったのは不可解です。それが正しいというのではない。東京裁判で拓殖大学教授だった大川周明がA級戦犯として訴追されたこととの比較で著しい恣意性が明瞭だからです。大川周明が訴追されるなら、ハイデガーが戦犯指定されないのは著しく公平性を欠いています。

この点から分かるのはナチス裁判をなぞった東京裁判がいかに不当でインチキな茶番劇であったかということです。

注:大川周明氏は公判中精神に異常をきたし、免訴となっている。

 


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