穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

村上春樹の杖術(ジョイ・スティック術)

2016-01-03 08:16:36 | 村上春樹

村上春樹の子宮射撃術 

村上春樹は何故売れる ? というマーケティング上の命題でございますが、相変わらずこの問題にかかずらわっております(かかずらわる、っていいませんか。変換できないけど、まちがっているのかな)。広辞苑によりますと「かかずらう」とあります。意味はそれなんですが、語尾変化が間違っているのかも知れない。

かかずらう、と、関わる、をごっちゃにしているのかな。これは文体とはいえませんね。いや、変なところにかかずらって本題にまだ入れません。

村上春樹の小説はなぜ魔法の様に売れるのか。検討する価値のある問題です。彼の本は世界的に売れているわけですが、地域を分けて原因を考える必要がありそうです。

欧米と日本、これは同じ理由のように思われます。その理由は後述するとして、韓国、中国、香港、台湾などでの人気は欧米とは別の様に思われます。先進化が進んでいる地域で、経済成長がおわり、安定期に入った日本の、村上春樹が描く新しいライフスタイルと言うかファッションが彼らを引きつけるのではないでしょうか。彼らのモデルになっているのではないでしょうか。

事実、これらのアジア地域では村上春樹の小説の主人公の生活を真似ることが憧れになっているらしい。韓国には春樹世代という言葉まであるそうです。

欧米と日本は基本的に同じ理由ではないかと思われます。前から非常に気になっていることは彼の小説で重要な部分を占めるファンタジーというか、おとぎ話的なパートが占める意味です。それだけ取り出すと小学生の作文並ですが、リアルな語りのパートと平行している。たとえ話のようでもあり、寓話の様でもある。 

これが巧まずして(あるいは作者が計算しつくして)読者の子宮の奥底まで到達して激震を起こしている。どうもこの解釈が一番説得力があると考え始めました。

ところで彼のファンは女性が多いようですが、男性の読者も結構いるようです。男性にも子宮があるということを知っていますか。アニマという器官です。加齢とともに段々と退化していきますが、青少年時代にはかなりアクティブと言われています(ユングの所説参照)。

これから欧米の評論家の意見で手に入るものがあれば読んでみるつもりです。

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。