穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

45口径は日本の警官には大きすぎる

2024-02-29 16:19:09 | ミステリー書評

どうも隙間時間に読むものがないと落ち着かないので目下佐々木譲著「警官の血」上巻を177ページほど。昭和二十三年の警官大募集から始まる。

治安情勢の紹介と新人警官の体験をまあ、そつなく書いている。大体私の知識の枠を出ない。よくフォローしているといえると思う。ところが、今読んでいるところで日本の警官が45口径の拳銃を支給されたとある。もちろん体躯頑健な警察官でも45口径は日本人には扱いにくく、使うのに躊躇するという記述がある。ジョン・ウェインの西部劇やみっきー・スピレーンの主人公マイク・ハマーにはふさわしいが、日本人には扱いにくいだろう。

もちろん占領軍(アメリカのことね)のお古の支給品であろうが、たしかに不釣り合いである。そのうえ、私が石原慎太郎の書いたものを読んだ記憶では日本警察に下げ渡されたのは38口径か32口径だったと思う。32口径ぐらいが警官にあうのではないか。28口径というと、あるいは25口径というと売春婦が護身用、トラブル対策で持つものだし、32口径ぐらいならサーベルの代わりになる。ちなみに東条英機が自殺用に使ったのはたしか25口径らしい(東条逮捕に向かった米軍兵士はこれを見て笑ったという)。

この小説では45口径と明記してあるが根拠があるのだろうか、疑問を感じた。なお、この小説であるが、いまのところ、記述は平板で山はない。

 


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