min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

俺たちのマグロ

2005-07-23 13:54:35 | ノンフィクション
『俺たちのマグロ』<ノンフィクション>(斉藤健次)小学館 2005.7.1 \1400+tax

著者はマグロ船を降りた後、千葉県の船橋でマグロ料理の居酒屋を開いて20年になる。
この間マグロを仕入れる機会を通じマグロをめぐる種々の問題が見えてきて、「マグロが危ない、海が危ない!」という重大な危機感を抱くに至った。そこで著者斉藤氏は北の大間から駿河湾焼津、那智勝浦等の漁港を巡り現場の漁師や漁業関係者から話を聞く。そして懐かしき高知は室戸の安芸を訪ねる。
著者にとっては各地のマグロ漁の最前線基地を訪れ実態を把握するにつれ、マグロの将来が本当に危ういことを確信する辛い旅となってゆく。
最大の問題は「大型巻き網漁法」で小さなマグロの果てまで獲りつくす外国船、なかでも台湾船の跳梁であるという。
日本を始め国際資源管理機構は再三に渡り台湾に注意、警告を重ねてきたが国際ルールを無視し続けているという。だがこの違法な漁獲を買い取るのは日本の商社である。
こうした違法な魚を買わない、売らないという毅然たる態度を日本、日本人が持たない限り違法な操業を続ける外国船を駆逐することはできない。
根本的な問題は実は日本人のマグロに対する飽食こそが問題なのではなかろうかと著者は喝破する。問題意識を持たない日本人がマグロ資源を枯渇させるのでは、と危惧する。
そのほか知られざる世界規模で行われているマグロの養殖(正確には蓄養)の実態にも驚かされる。
なんでここまでマグロに固執するのだろう?日本人!

昨年暮れに斉藤健次氏の前作「まぐろ土佐船」を読んで次のような感想を記している。
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『まぐろ土佐船』<ノンフィクション>(斉藤健次)小学館文庫 オススメ度:★4

現代の「マグロ遠洋漁船」を“コック長”としての内なる目線から描いた感動的なドキュメンタリー。500トンに満たない小さな漁船は途中獲物を専用運搬船に移しかえ2年にも及ぶ連続操業を行なう。生死をかけた海の男達の濃密な人間関係と想像を絶する自然の猛威にただただ魅入られるように読んだ。ゆめゆめマグロを粗末に食せなくなる一篇。
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3 コメント

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Unknown (みんなのプロフィール)
2005-07-24 00:51:11
ブログ開設おめでとうございます!

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まぐろ (MORIOKA)
2005-09-04 16:53:44
マグロの本、みんみんさんも読みましたか?

僕は去年、日本鰹鮪連合から北京でマグロを普及させるための調査の仕事をしたことが

あったのでマグロには関心をもってました。

マグロでは台湾は問題な国です。

上記の連合も中小の集まりのため、やはり

根本的な問題解決の推進は難しいようです。^^;

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まぐろ (min-min)
2005-09-15 19:13:30
MORIOKAさん、こんにちは。



北京でマグロですかぁ?中国人にまで食べさせるマグロはないですよぉ。

彼らが万一マグロ・ファンになったらそれこそ世界中の海からマグロが絶滅するかも。



さて、問題児「台湾」なのですが、そもそも日本がマグロ船を減船した当時、中古船を売った先が台湾だったのですよ。最近は彼らが日本人の元漁労長を雇って不法な操業を繰り返す、といった憂慮すべき現実があります。
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