『「昭和」を点検する』 講談社現代新書2008.7.20 各720円+tax
保坂正康+半藤一利 対談集
オススメ度★★★★★
本書は2007年夏に催された「第76回新宿セミナー@kinokuniya、昭和を点検する」を基に同年2月に開かれた「大人の休日倶楽部」プレゼンツ『「昭和史」10の謎――2人の昭和史研究家が語る』の内容を加えて再編集されたもの。
全体を通し極めて平易なキーワードをもって「昭和」を語っている。副題として「なぜ、無謀な戦争に突入していったのか」とある。
さて、そのキーワードは以下の5つである。
1. 世界の大勢――近代日本の呪文
2. この際だから――原則なき思考
3. ウチはウチ――国家的視野狭窄の悲喜劇
4. それはお前の仕事だろう――セクショナリズムと無責任という病痾
5. しかたなかった――既成事実への屈服
一般聴衆を意識した上での対談であることから、学者然とした難解な語句を用いてのスノッブな言い回しではなく誰もが理解できるような内容となっている。
リベラルな立場から「昭和」という時代の歴史の虚実が実例を多く用いて興味深く語られる。
教科書等で語られる通り一遍の歴史ではなく、ある種の「日本人論」ともいえる内容も含んでいる。
対談の主流からはずれてはいるのだが、雑談的に述べられている次の言葉が印象に残った。
「結局、薩長が創ったともいえる大日本帝国は、最後はやはり薩長が(薩長出身者の意)が滅ぼしたともいえますね」の部分。
本書では言及していないが、「昭和史」を語るのは当然その前の大正、明治、江戸末期から物事の歴史を掘り返さねばならない。
浦賀のペリー率いる4隻の蒸気船が現れて以来、我が国の歴史を振り返ると「なるべくしてなった戦争の歴史」となるわけで、我が国が近代国家になる為にはこのような道以外ありえなかったのか?そのことを今後ともじっくりと探っていきたい。
保坂正康+半藤一利 対談集
オススメ度★★★★★
本書は2007年夏に催された「第76回新宿セミナー@kinokuniya、昭和を点検する」を基に同年2月に開かれた「大人の休日倶楽部」プレゼンツ『「昭和史」10の謎――2人の昭和史研究家が語る』の内容を加えて再編集されたもの。
全体を通し極めて平易なキーワードをもって「昭和」を語っている。副題として「なぜ、無謀な戦争に突入していったのか」とある。
さて、そのキーワードは以下の5つである。
1. 世界の大勢――近代日本の呪文
2. この際だから――原則なき思考
3. ウチはウチ――国家的視野狭窄の悲喜劇
4. それはお前の仕事だろう――セクショナリズムと無責任という病痾
5. しかたなかった――既成事実への屈服
一般聴衆を意識した上での対談であることから、学者然とした難解な語句を用いてのスノッブな言い回しではなく誰もが理解できるような内容となっている。
リベラルな立場から「昭和」という時代の歴史の虚実が実例を多く用いて興味深く語られる。
教科書等で語られる通り一遍の歴史ではなく、ある種の「日本人論」ともいえる内容も含んでいる。
対談の主流からはずれてはいるのだが、雑談的に述べられている次の言葉が印象に残った。
「結局、薩長が創ったともいえる大日本帝国は、最後はやはり薩長が(薩長出身者の意)が滅ぼしたともいえますね」の部分。
本書では言及していないが、「昭和史」を語るのは当然その前の大正、明治、江戸末期から物事の歴史を掘り返さねばならない。
浦賀のペリー率いる4隻の蒸気船が現れて以来、我が国の歴史を振り返ると「なるべくしてなった戦争の歴史」となるわけで、我が国が近代国家になる為にはこのような道以外ありえなかったのか?そのことを今後ともじっくりと探っていきたい。
ほかに読む本がたくさんあるので、順番はあとになりますが…。
半藤一利さんの
「昭和史 1925-1945」と
「昭和史(戦後編)1945-1989」
という本が単行本で刊行されておりますが、昨日この文庫本を書店でみかけ買うかどうか迷いました。
今未読本が2冊ほどあり、それが済んだら読んでみようかな?(単行本は図書館にあり)と思っております。
多分こちらのほうが良いのでは?と思っております。