min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

高野秀行著『腰痛探検家』

2014-10-27 19:51:47 | ノンフィクション
高野秀行著『腰痛探検家』 集英社文庫 2010.11.25第1刷 

おススメ度:★★☆☆☆

先ず断っておきたいことがある。それはあなたが腰痛持ちか否か?ということ。
もしあなたが腰痛とは無縁の世界に生きているとしたら、こんなつまらない本はないかも知れない。別の言い方をすれば、つまらないかどうかは個人によるかも知れないが、腰痛の無限に思える苦しさを経験したことが無ければ著者の言う事が、書くことがなかなか信じてもらえないと思われる。
著者自身が「非腰痛世界」から「腰痛世界」へ移り住む、と表現するくらいだからその相違は全く異なる世界に生きるということだ。

高野氏が38才の夏に何の前触れもなく腰痛が始まった。あちこちの整体や鍼へ通ったものの治らぬまま40才の冬には東京から沖縄までの2,500kmの自転車旅行を敢行した。
これが直接の引き金となって氏の本格的腰痛が始まったらしい。
ここへ来てこのやっかいな腰痛を治さねば。せっかく世間でもその名を知られ始めた“辺境作家”なる看板を下ろさねばならない。
「他人の行かないところへ行き、他人のしないことをする」をモットーとする秘郷探検作家が腰痛で動けない、とはあり得ないことだから。

ここから同氏の“腰痛の密林”での悪戦苦闘が始まる。西洋医学の医院4か所、民間の治療院数か所(鍼灸院、理学療法、心療内科、果ては超能力者?まであらゆる種類)を試すことに。中でも整形外科でレントゲン、MRIで検査するも医師によってその解釈、診断が違うのには著者もほとほと困り果てた。
かくして高野氏は“腰痛の密林”から無事帰還出来るのであろうか!?とことん腰痛を追求した前代未聞の体験記である。

かくいう私も重度の腰痛持ちである。私の場合は原因が明らかで“第四腰椎すべり症”ということ。結論から言うと治らない模様。ただ、腰椎の辛さに関する高野氏の記述には激しく同意してしまった。

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