min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

ハバナの男たち(上下)

2005-11-16 18:04:09 | 「ワ行」の作家
スティーヴン・ハンター著 扶桑社ミステリー 2004.7.30第1刷 上下共838+tax

ボブ・リー・スワガーの父アール・スワガー・シリーズの第三作目。物語は1950年代初頭のキューバを舞台にしておりアール・スワガーの役回りがアーカンソー出身の議員の護衛という名目のもと実はフィデル・カストロの抹殺にあった。
のっけからちょっと異質なストーリー展開であり、若き日のフィデル・カストロが実名で登場する他ヘミングウェイまで実名で出てくる。ハンターにかかれば両者ともボロクソに書かれており興味深い。
今回アール・スワガーとともに重要な役どころとなるのがスペスネフというロシアの秘密工作員。シベリアの収容所に入れられたものをこの「カストロ暗殺阻止作戦」のために投入されるといった切れ者。彼とアール・スワガーの一騎打ちがどのようになるか?が読者の最大の関心ごとになるのだが、その期待?はある意味裏切られることになる。
ともあれアール・スワガーの自己規律はそのままであり、彼の周りでは彼があずかり知らない謀略が進行する。この分が物語りの進行テンポに水をさすかたちになり多少いらいらさせられるが、最後のアール・スワガーの爆発的活躍が救いか。