あきない(商い):
「あきなう」の名詞形で、<品物を売買すること>を意味しますが、その語源は“秋にオコナウ”で、秋の収穫物を売る行為(オコナイ)のようです。
従って、元々は「秋なふ」もしくは「秋なひ」だったのが、その内容が中国の「商売」の実態と同じであることから、学者が「商」の字を当てたといわれています。
あきんど(商人):
上の「あきない」と同じく、元々は「秋+ない(行い)+人」で、“秋に収穫物を売り買いする人”の意味だったようです。
これが簡約化されて「アキビト」となり、音韻変化で「アキュウド」⇒「アキンド」となったとされています。
しょうにん(商人):
ベニスの商人とか近江商人とかいう言葉もある「商人」ですが、これは上記の「あきない」や「あきんど」とは異なって、中国由来の言葉のようです。
「商」は、紀元前17世紀頃~ 紀元前1046年に存在した古代中国の王朝・殷(いん)の別名です。
王朝の滅亡後も、商の人は中国各地で行商によって経済を発展させたという故事に拠るもののようです。(まさ)