老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

言葉の語源など  その(34)  ~ピンハネ~

2020年02月25日 20時31分12秒 | 面白い言葉や語源など
 ピンハネ(ぴんはね、ピン撥ね)という言葉はよく使われていて、他人に取り次ぐ資金や代金の一部を、不正にかすめ取ることを意味し、「上前を撥ねる」とも表現されます。

 天下り団体、暴力団、建設業、人材派遣、芸能事務所、民間団体などの「中間」的な組織が介入することで、労使の力関係によって否応なく生じる理不尽な慣行として広く行われてきました。

 しかし、その語源は? と聞かれると、返答に困ります。 調べてみました。


 何と、これはポルトガル語に由来するようです。
Weblio辞書によると、ポルトガル語のpintaという言葉は、元々は“点”を表す言葉ですが、これから派生して
① カルタ・さいの目などの一の数。
② 第一番。最上等のもの。
③ 〔一割をはねる意から〕 上前(うわまえ)
という意味もあるようで、この③の意味の「ピン」と、日本語の「撥ね」(かすめ取るという意味の“撥ねる”の略)が合体した言葉のようです。


余談ですが、この「ピン」については、「ピン撥ね」だけでなく、他にも色々な言葉になっています。
◆①については、今でも賭博用語では「1」を「ピン」と呼びますし、一人芸をする芸人のことを「ピン芸人」と呼ぶのもこれに由来するようです。

◆また、よく使う言葉である「ピンからキリまで」は、本来は始めから終わりまでという意味だったのが、そこから、上記②の意味を含め、最上のものから最低のものまでとか、上等なものから下等なものまでといった意味で使われるようにもなったようです。


 16世紀にポルトガルから日本へ伝わった、現在のトランプに近い形をしたカルタをきっかけに、その言葉と意味も広まっていったといわれていますが、この「ピン」以外にも、カステラ/ボタン/キャラメル/カルタ/おんぶ/おいちょカブ/タバコ/天ぷらなどじつにいろいろな言葉がそのまま或いは少し形を変えて日本語として定着していて、日本に来れられたポルトガル人や、ポルトガル語を母国語として用いるブラジル人が、非常に驚かれるということを聞いた記憶もあります。


 上に触れた『おいちょカブ』は、賭博の一つで、手札とめくり札との数の和の末尾が9またはそれに最も近い数を勝ちとするゲームですが、この「おいちょ」は8、「かぶ」は9の数を意味します。

 『おいちょ』はスペイン語のOcho,またはポルトガル語のOitoとする説が有力で、外国語由来のようです。
一方、9の『カブ』の語源は不明ですが、頭(かぶ)に由来するというのが有力で、江戸時代には「かう」とも呼ばれていたとされていて、いずれにせよ日本語由来のようです。(まさ)

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