◆確かにレジ袋の有料化や削減は海洋プラの削減やライフスタイルの見直しには貢献するのでしょうが、レジ袋削減の目標を“廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題への対応”と、プラ問題全てに拡大することは無理があるでしょう。
・化学知識があまりないので断定はしかねますが、やはりプラ問題は
(イ)廃棄物・資源制約
(ロ)海洋プラスチック問題
(ハ)地球温暖化問題
など、項目を分けて検討すべきではないでしょうか。
・(イ)については、「廃棄物」に関しては、その②で検証したように、レジ袋の比率などはごくわずかで、それよりもペットボトルや包装資材として大量に使用されているプラ製品の回収や削減を検討することが先でしょう。
また、「資源制約」については、石油の削減なのか、それ以外の資源も含めるのかが判りにくいですが、仮に石油資源を指しているのならそれこそ極めて比率の少ないレジ袋ではなく、その他の石油製品を主題にすべきでしょう。
・(ロ)については、レジ袋は少しは関係あるかも知れませんが、まずプラ製品の回収方法を根本的に見直して、ポイ捨てをなくす策を検討すべきでしょう。
・(ハ)については地球温暖化問題はCO2問題とも言えるでしょうから、同じ石油製品でも熱源や動力源として利用される分野が多くの問題を抱えている訳で、化学製品として製造されるプラ製品はそれが燃焼される場合の問題で、上記の回収方法の見直しで対応できると思います。
◆バイオマスプラスチックについて
今回、このレジ袋の有料化に関して纏めている中で、気になったのは「レジ袋の原料に重さにして25%以上のバイオマスプラスチックが含まれていれば、有料化の義務から免除される」という項目で、この理由としては環境省のガイドラインにも、「地球温暖化対策に寄与する」ためと明記されています。
バイオマスプラスチックについては、ぼんやりとは判っているつもりですが、最近はお役所の説明を鵜呑みにできない事がらが続いていますので、私なりにも少し調べてみました。
・バイオマスプラスチックとは、石油ではなくて、再生可能資源である生物資源バイオマス(※)をもとにつくられるプラスチックのことをいいます。
※バイオマス:正確な定義は非常に難しいようですが、一般的にはトウモロコシやサトウキビ由来のデンプンや糖などの「生物由来の資源」を原料とするプラスチックです。
・植物由来と言う事で一見安心感を持ちますが、WIKIPEDIAなどによると、下記の説明があります。
★バイオプラスチックとは、バイオマスを原料としたプラスチックと生分解性を持つプラスチックの総称である。
バイオマス由来であるからと言って、生分解性があるとは限らないし、その逆に、生分解性があるからといって、原料がバイオマスだとも限らない。
例を挙げると、バイオマスを原料としたバイオPETやバイオPE(レジ袋などに利用される材料)は、性能的には通常のPETやPEと同一であり、生分解性を持たない。バイオマス由来であることと、生分解性があることは、必ずしも一致しない。(バイオマス由来≠生分解性)
★そのため、日本バイオプラスチック協会のHPなどでは、原料がバイオマスであるプラスチックは、「バイオマスプラスチック」と表記され、生分解性を持つプラスチックは「生分解性プラスチック」と表記されている。
★化学にも詳しくはないので、生分解性プラスチックに関するWIKIPEDIAの記述を転用させていただきます。
“「生分解性材料とは、微生物によって完全に消費され自然的副産物(炭酸ガス、メタン、水、バイオマスなど)のみを生じるもの」と定義され、生分解性プラスチックとして、バイオマスを原料とするものは、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート(微生物産生ポリエステル)、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉、低置換度多糖誘導体(低置換度セルロースアセテートなど)がある。石油由来ではPET共重合体がある”
即ち、バイオマスプラスチックは必ずしも生分解性を持つものではない事が判りました。
そうすれば、経産省がレジ袋の有料化に当り「海洋プラ問題」をも対象とする以上は、「レジ袋の原料に重さにして25%以上のバイオマスプラスチックが含まれていれば、有料化の義務から免除される」とした根拠が少しおかしくなります。
バイオマスプラスチックを広める目的は石油の節約や地球温暖化の抑制であって、ゴミとなって海洋環境を汚すプラスチックを減らすことと同じではないのです。
要するにこのレジ袋有料化の目的を、“廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題への対応”と石油化学製品が持つ問題の全てを網羅した事は、優秀な頭脳集団と言われる経産省としては非常にお粗末な限りで、バイオマスプラスチックの全てが海洋プラスチックごみ問題には役立たないことを明記すべきでしょう。
また、この制度の課題が余り絞り切れていないことも明白で、資源節約/海洋プラスチック問題/地球温暖化対策などに的を絞って、それぞれに対して細かい対応を打ち出すべきだと感じました。
更に、敢えて言えば、レジ袋問題は万引きの誘発や、レジハラ問題など多くの問題を引き起こし、一部では25%以上のバイオマスプラスチックが含まれている袋を採用して無償配布する店舗も出てきているようで、レジ袋の有償化は再検討すべきではないでしょうか。(まさ)
・化学知識があまりないので断定はしかねますが、やはりプラ問題は
(イ)廃棄物・資源制約
(ロ)海洋プラスチック問題
(ハ)地球温暖化問題
など、項目を分けて検討すべきではないでしょうか。
・(イ)については、「廃棄物」に関しては、その②で検証したように、レジ袋の比率などはごくわずかで、それよりもペットボトルや包装資材として大量に使用されているプラ製品の回収や削減を検討することが先でしょう。
また、「資源制約」については、石油の削減なのか、それ以外の資源も含めるのかが判りにくいですが、仮に石油資源を指しているのならそれこそ極めて比率の少ないレジ袋ではなく、その他の石油製品を主題にすべきでしょう。
・(ロ)については、レジ袋は少しは関係あるかも知れませんが、まずプラ製品の回収方法を根本的に見直して、ポイ捨てをなくす策を検討すべきでしょう。
・(ハ)については地球温暖化問題はCO2問題とも言えるでしょうから、同じ石油製品でも熱源や動力源として利用される分野が多くの問題を抱えている訳で、化学製品として製造されるプラ製品はそれが燃焼される場合の問題で、上記の回収方法の見直しで対応できると思います。
◆バイオマスプラスチックについて
今回、このレジ袋の有料化に関して纏めている中で、気になったのは「レジ袋の原料に重さにして25%以上のバイオマスプラスチックが含まれていれば、有料化の義務から免除される」という項目で、この理由としては環境省のガイドラインにも、「地球温暖化対策に寄与する」ためと明記されています。
バイオマスプラスチックについては、ぼんやりとは判っているつもりですが、最近はお役所の説明を鵜呑みにできない事がらが続いていますので、私なりにも少し調べてみました。
・バイオマスプラスチックとは、石油ではなくて、再生可能資源である生物資源バイオマス(※)をもとにつくられるプラスチックのことをいいます。
※バイオマス:正確な定義は非常に難しいようですが、一般的にはトウモロコシやサトウキビ由来のデンプンや糖などの「生物由来の資源」を原料とするプラスチックです。
・植物由来と言う事で一見安心感を持ちますが、WIKIPEDIAなどによると、下記の説明があります。
★バイオプラスチックとは、バイオマスを原料としたプラスチックと生分解性を持つプラスチックの総称である。
バイオマス由来であるからと言って、生分解性があるとは限らないし、その逆に、生分解性があるからといって、原料がバイオマスだとも限らない。
例を挙げると、バイオマスを原料としたバイオPETやバイオPE(レジ袋などに利用される材料)は、性能的には通常のPETやPEと同一であり、生分解性を持たない。バイオマス由来であることと、生分解性があることは、必ずしも一致しない。(バイオマス由来≠生分解性)
★そのため、日本バイオプラスチック協会のHPなどでは、原料がバイオマスであるプラスチックは、「バイオマスプラスチック」と表記され、生分解性を持つプラスチックは「生分解性プラスチック」と表記されている。
★化学にも詳しくはないので、生分解性プラスチックに関するWIKIPEDIAの記述を転用させていただきます。
“「生分解性材料とは、微生物によって完全に消費され自然的副産物(炭酸ガス、メタン、水、バイオマスなど)のみを生じるもの」と定義され、生分解性プラスチックとして、バイオマスを原料とするものは、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート(微生物産生ポリエステル)、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉、低置換度多糖誘導体(低置換度セルロースアセテートなど)がある。石油由来ではPET共重合体がある”
即ち、バイオマスプラスチックは必ずしも生分解性を持つものではない事が判りました。
そうすれば、経産省がレジ袋の有料化に当り「海洋プラ問題」をも対象とする以上は、「レジ袋の原料に重さにして25%以上のバイオマスプラスチックが含まれていれば、有料化の義務から免除される」とした根拠が少しおかしくなります。
バイオマスプラスチックを広める目的は石油の節約や地球温暖化の抑制であって、ゴミとなって海洋環境を汚すプラスチックを減らすことと同じではないのです。
要するにこのレジ袋有料化の目的を、“廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題への対応”と石油化学製品が持つ問題の全てを網羅した事は、優秀な頭脳集団と言われる経産省としては非常にお粗末な限りで、バイオマスプラスチックの全てが海洋プラスチックごみ問題には役立たないことを明記すべきでしょう。
また、この制度の課題が余り絞り切れていないことも明白で、資源節約/海洋プラスチック問題/地球温暖化対策などに的を絞って、それぞれに対して細かい対応を打ち出すべきだと感じました。
更に、敢えて言えば、レジ袋問題は万引きの誘発や、レジハラ問題など多くの問題を引き起こし、一部では25%以上のバイオマスプラスチックが含まれている袋を採用して無償配布する店舗も出てきているようで、レジ袋の有償化は再検討すべきではないでしょうか。(まさ)