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それほど悪くないですよ「PK」by伊坂幸太郎

2017年06月06日 | 小説レビュー
〜人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。
その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。
勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。
三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。「BOOK」データベースより


という解説を読むと、一つの物語のように思いますし、伊坂幸太郎氏独特の「時系列バラバラ〜後で全部繋がる」パターンと思って読みました。

しかし、この作品は、読めば読むほど、こんがらがってきます(-_-;)

「PK」、「超人」、「密使」の三つの物語で構成されているんですが、この三作はそれぞれ、別々に書かれた物語で、別々の雑誌に掲載されたものです。

それを単行本の出版にあたり、若干修正して編集し、それぞれの物語に繋がりを持たせたのが、この作品です。

なので、酷評されているレビューにも書かれているように「伏線回収」や「最後に全部繋がる」という期待を裏切られて当然でなんですね。

単独の作品としても面白いですし、それを無理矢理に繋げて、関連性を持たせて、ひとつの物語のようにしてしまう技術は素晴らしいですね。

また、いつもの伊坂語録も随所に炸裂してますし、なかなか良かったですよ。

巻末に、大森望氏の解説が添えられてますが、これを読むと「ふぅ〜む、なるほど!」と、納得します。

★★★3つです。
コメント
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