素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「バクと獏」漠然としていたことが整理できた

2024年05月15日 | 日記
 東京に住む 妻の同級生の方から、自費出版された俳句集「面影」を頂いた。中学生の時、国語の授業で自分が作った俳句を教師に見せに行ったら、他人のを写したという告げ口を信じた教師が見ようともせずに用紙を返して来た。「私は写したりしていない。自分の作った俳句だ」と言うことも出来ずに席に帰った。という苦い思いをしてから俳句とは無縁の生活を送られてきたが、50年後の65歳の頃に本格的に俳句の勉強をしてみようと思いたち、NHK学園で添削を受ける形で勉強され、10年の節目で句集を作られた。とあとがきにあった。

 読んでいて、70歳の時に公民館活動の絵画教室に入り油絵と出合い、NHK学園の「油絵入門」で学び、12年間の集大成として150点余りある作品から、学園内スケッチスクーリングに参加した、思い出深い各地の風景26点をまとめ作品集「明日への飛翔」を作った父のことが重なった。

 俳句集の中の一首、「熱帯夜獏よ私の夢を召せ」に思わず「これこれ!」と笑いを誘われた。ブログでも何度も書いてきたが、私が悪い夢を見るのは熱帯夜ではなく、筋トレ、ランニングを頑張って筋肉にすごく刺激が入った夜。そのような時、「この悪夢を獏にあげます」と唱えればいいのだ。
 
 獏(ばく)は、中国から日本へ伝わった伝説の生物、幻獣である。人の夢を喰って生きると言われるが、この場合の夢は将来の希望の意味ではなくレム睡眠中にみる夢である。唱えれば同じ悪夢を二度と見ずにすむという言い伝えがある。

 ただ、私の中では「夢を食べるバク」と「動物園にいるバク」が混然となっていた。
水木しげるロードにある幻獣のバクのブロンズ像 と動物のバク 
 これは「麒麟」と「キリン」の関係と同じで、日本や中国ではこの動物が知られるようになった際に、伝説上の動物「獏」の名を中国古書より借用し、これが定着したようだ。

 悪夢にうなされるのは私だけではない。かの豊臣秀吉も「獏枕」なるものを作って愛用していたみたいだ。 

気持ちはよく分かる。枕といかなくてもせめて今夜から北斎の描いた獏の絵を枕元に置いて寝てみるかなどと1つの句からさまざま考えた。
  
コメント
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