素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

イチハツ

2024年05月07日 | 日記
 天気予報士泣かせのハッキリしない空模様が続く。「降るのか!?ふらないのか!?どっちだ」」と言いたくなる。「梅雨みたいだ」と嘆く人もいた。そういう天気にイチハツの花はよく似合う。
  数年前に知人からいただきプランターで育てているが毎年元気に花を咲かせてくれる。知人は昭和8年生まれというから90歳の大台に乗った。「もうダメや」と言いながら近隣の植物園に出かけて花の観察に余念がない。飽くなき探求心が元気の源だと思う。

 枚方山草会の三十周年記念号の編集をお手伝いした時に「タンポポ」の話を聞かせてもらった。「会誌」にも掲載されたが、とても興味深かった。

タ ン ポ ポ

 毎年、春の楽しみの一つに、私市にある大阪市大植物園のタンポポに会える事があります。木々が一斉にそれぞれの色に芽吹きます。この景を借景にして大広場一面がタンポポの花で埋め尽くされます。    
 太陽の光をいっぱいに浴びたタンポポの広場は明るく希望と勇気をもらえる様に感じられます。
 何年か前に、タンポポ調査に参加しました。その時は在来種のカンサイタンポポと外来種のセイヨウタンポポ、それに交雑が疑われる雑種タンポポの割合を調査するものでした。   
 外来種のセイヨウタンポポは、1900年頃北海道で発見されてからたちまち日本全土に広がりました。カンサイタンポポが春、『有性生殖』するのに対してセイヨウタンポポは殆んど1年中『無融合生殖』で種が出来ます。
 両者は交雑しないと思われていましたが、研究が進みDNAでも解析され、はっきりと交雑が確認されました。かなりの割合になっているとの事です。         
 カンサイタンポポは、4,5月に、高さ10~15㎝ほどの細い花茎で花を咲かせて種を付けますが、セイヨウタンポポの花は大きくしっかりとした感じで、沢山の種を付けます。
 外見上一番大きな違いは花の下の総苞外片(そうほうがいへん)がカンサイタンポポはしっかりと花を包んでいますが、セイヨウタンポポは大きく反り返っています。雑種は一部反り返ったり、まばらに反り返ったりといろいろですが、ある程度判断できます。
 一面に咲く植物園のタンポポは交雑しているのでしょうか?あちらこちらで総苞外片を確認するのですが、雑種らしき物は見つからず、そんな訳は無いと思いながらDNAなど判らない私には全部がカンサイタンポポに見えます。
 4時半の閉門の頃には「お疲れ様」と静かに花を閉じて見送ってくれます。


 イチハツの花が咲く度に「いつまでもお元気で探究を続けて下さい」と知人に思いを馳せる。


コメント
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