素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

息抜きができる本

2022年02月11日 | 日記
 「大正天皇」「東京オリンピック始末記」「芭蕉の風景」などの本はゆったりした気分で読むことはできない。いつもいつも張り詰めた気持ちでばかりではいられない。そういう時は、録画してあるドラマを見ることが多かったが、オリンピック放送でドラマ枠が少なくなっていることやコロナ禍で制作本数の減少などがあって取り溜めたドラマも枯渇してきた。

 そういう時、書評欄で見つけた本があった。今の私に必要な本だと直感した。春風亭小朝さんの書いた「菊池寛が落語になる日」(文藝春秋)である。よく「緊張」と「緩和」が大切だと言われる。先にあげた本が「緊張」ならば小朝さんの本は「緩和」この両者のバランスが取れると楽しく充実した毎日となる。

 さっそく買い求めたが期待を裏切らなかった。小朝さんは菊池寛さんの短編を20ほど落語に仕立て直しているみたいだが、その中から「入れ札」「予感」「うばすて山」「お見舞い」「時の氏神」「好色成道」「龍」「ある理由」「マスク」の9作品を載せている。おまけに原作も掲載されているので楽しさ倍増、いやそれ以上である。


 今、3作品を読み終えたが、一気に読みたい気持ちを制御するのに苦労する。全部読んだ後は音読も楽しめる本である。小朝さんの作品はもともと落語だから音読のほうが良いに決まっているが、菊池さんの文章もリズム感があり声に出すと乗ってくるような気がする。
コメント
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