素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「芭蕉の風景」(小澤實 著)の思わぬ楽しみ方見つける

2022年02月06日 | 日記
 芭蕉の句をたどる紀行文なので、芭蕉の句の鑑賞のほかに現地への行程なども同時に楽しむことができる。そこで思いつたのが以前ユーキャンの宣伝に乗せられて衝動買いした「日本大地図」が役に立つのでは?である。

 この地図の売りは、分県大地図に加えて2冊の名所大地図である。名勝、山、島、湖、花、温泉、城、町並み、歴史の道、庭、ローカル線,都市図というジャンルに分け、人気のある名所をクローズアップして地図だけではなくパノラマ画、や写真なども取り入れ詳しく解説されている。

 ただ、買ってはみたものの大判なだけに、やや持て余し気味であったが、小澤さんの旅したところをたどるために開いてみるとよりイメージの幅が広がる。

 たとえば、〈山は猫舐りていくや雪のひま〉(芭蕉)の句では会津の磐梯山の西に位置する猫魔ヶ岳を眺める旅に行っている。行程は次のように書かれている。

 「東北新幹線郡山駅下車、磐越西線に乗り換えた。郡山は晴れていて雪はなかったのだが、磐梯熱海駅を過ぎるあたりから曇りだした。雪も積もっている。西に行くにつれ、車窓の山の斜面の雪も厚くなってきた。雪の表面に獣の足跡が見えた。狐か狸のものだろうか。さらに西に進んで上戸駅を過ぎるころ、雪が降り出した。
 磐梯町駅に下車すると、吹雪のなかであった。磐越西線でもっとも猫魔ヶ岳に近い駅であるが、今日は近くも見えない。駅前にタクシーはおらず、駅員の方に聞くと、会津若松駅から呼ばないと乗れないとのこと。タクシーを呼んだ後、磐梯町商工観光課の方に猫魔ヶ岳がよく見える場所を聞く。「今日は無理でしょうが、晴れた日ならアルツ磐梯スキー場に行けば見えます」とのこと。車が来たので、とにかくスキー場まで行ってもらう。・・・・」
 

 馴染みのない土地なので文章だけではピンとこないが、分県大地図の福島県と名所大地図の[山]の磐梯山のページを開いて見るとよく分かる。
 

 ほかの場所もついでに見て新たな発見もしたりして楽しみ倍増となる。200句ほどあるわけだからこの大地図を右に置いて読んでいけば地図上でいろいろなところに旅ができる。思わぬ楽しみが増えた。

 
コメント
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