夜、妻が枚方山草会のメンバーと長浜盆梅展に行く計画をたてていた。住んでいる所が散らばっているため、乗る列車を指定して京都駅のホームで集合するのが一番合理的だということになった。そこで、長浜行の列車を検索してほしいと頼まれた。調べてみると京都発9:29の新快速で行けば長浜に10:39に着くのでこれがベストだとなった。(料金1280円)
JR線一本で行ける所(星田、津田、長尾、松井山手)の人たちは〈冬の関西1デイパス〉(3500円)を使い大阪回りで京都駅に出たほうが安くつくし、京阪沿線の人たちは京阪(丹波橋駅乗り換え)近鉄で京都駅に出るのが都合が良い。
集合場所をはっきりしめすために、9:29の新快速は京都駅の何番ホームから出るのか?ということを調べてほしいと頼まれた。JR琵琶湖線という名称で、0番・2番・3番ホームとなっていた。近鉄で来る人のために駅の構内図でJR改札口とホームの位置関係を調べてみた。高齢の方もいるので乗り継ぎのための移動も気を遣う。
構内図を見ていて、「あれ?1番ホームがない!?」ということのほうに気持ちが行ってしまった。妻にとっては1番ホームの存在は別に何の問題もなく、集合すべきホームが決まれば良しであったが、私はそちらのほうが気になってしまい、調べることを続けた。
マイナビニュース・旅行編でそのことに関するレポートがあった。それによると
0番ホームが存在する駅
京都駅在来線の中央口を抜けると、「0番」と表示された乗り場が見える。北陸方面に向かうサンダーバードなどが止まるホームだ。そして隣の乗り場の番号を見ると2番、3番……と続いている。そう、なぜか1番ホームが存在しないのだ。
その理由を説明する前に、そもそも「0番」ホームなどというものが存在することに違和感を覚える人もいるだろう。しかしこ、れは京都駅特有のものではなく、0番線及び0番ホームのある駅は、現在、全国に40ほどある。
その多くは、元々あった1番線ホームの手前に路線とホームが追加され、そこに「1」より小さい数字である「0」番を当てたパターンだ。全ホームの番号を新たに振り直すと、付随してダイヤから表示板まであらゆるものを変更する必要が生じるので、それを避けるために取られた策なのだ。
野球でも背番号「0」は珍しくなくなってきたし、数学を教えている時も人類が「ゼロ」という数の概念を獲得したことは画期的なことであるということを強調していた。『零の発見』(吉田洋一著・岩波新書)という名著もあるぐらいだ。自分の出すプリント№もあえて「0」からつけたこともあった。だから「0」にはさほど違和感は持たない。
なぜ1番ホームがないのかという理由は単純ではなかった。
駅ビル工事による運転番線の改訂
さて、京都駅に1番ホームがない理由だが、まずは線路の方から説明しよう。1992年、駅ビル工事の一環で最も北側の線路をつぶし、かつてのホームを拡張。この時、運転番線(線路の番号)の改訂が行われたのだが、東海道新幹線の管轄である11~14番線の数字は動かせないため、JR西日本在来線11本の運転番線を10以内で収める必要があった。
そこで「1」ではなく「0」からスタートして10までの数字を11本の運転番線に割り当てたわけだ。一方ホームの方は、1番から始まり2番、3番……と番号が振られていた。つまりこの時点では1番ホームは存在していたのだ。ただし、ホームは1番だがそのホームで利用する運転番線は0番という状態である。
利用者はホームの番号(○番線のりば)を判別できればいいのであって、運転番線は関係ない。だから、これで問題ないように思われたのだが、乗務員が誤ってホーム番号ではなく、運転番線を利用者に案内するケースが起こってしまった。そこで、やはり運転番線とホーム(のりば案内)の番号を一致させようということになる。
運転番線とホームを一致させたところ……
「それなら、ホームの方も0番、1番、2番……とナンバリングされているハズなのに、なぜ1番がないのか?」という疑問がまだ残るだろう。京都駅の0番ホームから2番ホームに向かって線路を見ると、0番ホームに入ってくる線路と2番ホームに入ってくる線路の間に、もう1本の線路が見える。
実はこれが運転番線1番の線路で、貨物列車通過専用線路として使われており、乗降ホームがないのだ。したがってかつての1番ホームを運転番線に合わせて0番ホームにし、次のホームは運転番線2番にあるから2番ホーム。こうして、0番から始まり、1番を飛ばして2~10番というホームの番号になったのである。
今度、京都駅に行った時はしかと確認をしてこよう。
ちなみに、構内図で0番~3番を右側に30番~34番のホームがある。これは嵐山に行った時使ったが山陰方面行のホームである。その時はたくさんホームがあるのだと思っていたが、今、構内図を見ると「?」と思う。そのことも解決してくれた。
京都駅にはこんな日本一も
なお、この0番ホームは端から端までの距離が558mで日本一長いホームとしても有名である。ちなみに、厳密に言うと0番ホーム単独ではなく、ほぼ一直線上に地続きでつながっている山陰線30番ホームも含めての長さである。
また、京都駅には34番ホームまであり、これも日本の駅の中で最も数字の大きいホーム番号となっている。ただし、決して京都駅に34もののりばがあるわけではなく、実際ののりばの数は19。関西空港線と山陰線のホームを、山陰線の“さん”にちなんで、30番台の数字にしているのだ。
これは「遊び心」? 思わぬ収穫のあった時刻調べであった。
JR線一本で行ける所(星田、津田、長尾、松井山手)の人たちは〈冬の関西1デイパス〉(3500円)を使い大阪回りで京都駅に出たほうが安くつくし、京阪沿線の人たちは京阪(丹波橋駅乗り換え)近鉄で京都駅に出るのが都合が良い。
集合場所をはっきりしめすために、9:29の新快速は京都駅の何番ホームから出るのか?ということを調べてほしいと頼まれた。JR琵琶湖線という名称で、0番・2番・3番ホームとなっていた。近鉄で来る人のために駅の構内図でJR改札口とホームの位置関係を調べてみた。高齢の方もいるので乗り継ぎのための移動も気を遣う。
構内図を見ていて、「あれ?1番ホームがない!?」ということのほうに気持ちが行ってしまった。妻にとっては1番ホームの存在は別に何の問題もなく、集合すべきホームが決まれば良しであったが、私はそちらのほうが気になってしまい、調べることを続けた。
マイナビニュース・旅行編でそのことに関するレポートがあった。それによると
0番ホームが存在する駅
京都駅在来線の中央口を抜けると、「0番」と表示された乗り場が見える。北陸方面に向かうサンダーバードなどが止まるホームだ。そして隣の乗り場の番号を見ると2番、3番……と続いている。そう、なぜか1番ホームが存在しないのだ。
その理由を説明する前に、そもそも「0番」ホームなどというものが存在することに違和感を覚える人もいるだろう。しかしこ、れは京都駅特有のものではなく、0番線及び0番ホームのある駅は、現在、全国に40ほどある。
その多くは、元々あった1番線ホームの手前に路線とホームが追加され、そこに「1」より小さい数字である「0」番を当てたパターンだ。全ホームの番号を新たに振り直すと、付随してダイヤから表示板まであらゆるものを変更する必要が生じるので、それを避けるために取られた策なのだ。
野球でも背番号「0」は珍しくなくなってきたし、数学を教えている時も人類が「ゼロ」という数の概念を獲得したことは画期的なことであるということを強調していた。『零の発見』(吉田洋一著・岩波新書)という名著もあるぐらいだ。自分の出すプリント№もあえて「0」からつけたこともあった。だから「0」にはさほど違和感は持たない。
なぜ1番ホームがないのかという理由は単純ではなかった。
駅ビル工事による運転番線の改訂
さて、京都駅に1番ホームがない理由だが、まずは線路の方から説明しよう。1992年、駅ビル工事の一環で最も北側の線路をつぶし、かつてのホームを拡張。この時、運転番線(線路の番号)の改訂が行われたのだが、東海道新幹線の管轄である11~14番線の数字は動かせないため、JR西日本在来線11本の運転番線を10以内で収める必要があった。
そこで「1」ではなく「0」からスタートして10までの数字を11本の運転番線に割り当てたわけだ。一方ホームの方は、1番から始まり2番、3番……と番号が振られていた。つまりこの時点では1番ホームは存在していたのだ。ただし、ホームは1番だがそのホームで利用する運転番線は0番という状態である。
利用者はホームの番号(○番線のりば)を判別できればいいのであって、運転番線は関係ない。だから、これで問題ないように思われたのだが、乗務員が誤ってホーム番号ではなく、運転番線を利用者に案内するケースが起こってしまった。そこで、やはり運転番線とホーム(のりば案内)の番号を一致させようということになる。
運転番線とホームを一致させたところ……
「それなら、ホームの方も0番、1番、2番……とナンバリングされているハズなのに、なぜ1番がないのか?」という疑問がまだ残るだろう。京都駅の0番ホームから2番ホームに向かって線路を見ると、0番ホームに入ってくる線路と2番ホームに入ってくる線路の間に、もう1本の線路が見える。
実はこれが運転番線1番の線路で、貨物列車通過専用線路として使われており、乗降ホームがないのだ。したがってかつての1番ホームを運転番線に合わせて0番ホームにし、次のホームは運転番線2番にあるから2番ホーム。こうして、0番から始まり、1番を飛ばして2~10番というホームの番号になったのである。
今度、京都駅に行った時はしかと確認をしてこよう。
ちなみに、構内図で0番~3番を右側に30番~34番のホームがある。これは嵐山に行った時使ったが山陰方面行のホームである。その時はたくさんホームがあるのだと思っていたが、今、構内図を見ると「?」と思う。そのことも解決してくれた。
京都駅にはこんな日本一も
なお、この0番ホームは端から端までの距離が558mで日本一長いホームとしても有名である。ちなみに、厳密に言うと0番ホーム単独ではなく、ほぼ一直線上に地続きでつながっている山陰線30番ホームも含めての長さである。
また、京都駅には34番ホームまであり、これも日本の駅の中で最も数字の大きいホーム番号となっている。ただし、決して京都駅に34もののりばがあるわけではなく、実際ののりばの数は19。関西空港線と山陰線のホームを、山陰線の“さん”にちなんで、30番台の数字にしているのだ。
これは「遊び心」? 思わぬ収穫のあった時刻調べであった。