明治生命館が建つお濠沿いを有楽町方面へ進むと、もうひとつの大作第一生命館のファサードがDNタワーの一部として保存されています。
こちらは明治生命館の華麗なアメリカンボザールとは対照的で、ファサードのオーダーを角柱にして細部の装飾を排除しているため、様式建築の骨格を残しながらディテールをより簡略モダン化した印象です。
要塞を思わせるその堅牢な外観からは、ナチス建築を連想させるものがありますが、建物竣工(昭和13年)の2年後には日独伊三国同盟が結ばれるご時世を考えれば「むべなるかな」といったところです。
またこの建物はGHQ(連合国軍総司令部)が置かれたことでも知られ、マッカーサーの執務室が現在でも当時のまま保存されています。
流麗な明治生命館よりお堅い第一生命館が司令部に選ばれたのは、威厳を重んじたマッカーサーの軍人気質によるものでしょうか?
■隣接した農林中央金庫(昭和8年)と第一生命館のファサードを残し合体、21階建てのビルを増設しました
◆DNタワー21(旧第一生命館)/千代田区有楽町1-13-1
竣工:平成7年(1995)/昭和13年(1938)
設計:清水建設+K・ローチ/渡辺仁+松本與作
施工:清水組
構造: /SRC造地上8階、地下4階
撮影:2017/08/11
※東京都選定歴史的建造物
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