岡崎の建築散歩~その4
正門を入ってすぐ左手、追進資料室の南側に愛知県立農業大学校講堂「追進館」があります。
建物は北側を正面として建つ東西に長い木造平屋建で、正面中央には切妻屋根の玄関ポーチが張り出しています。
外観はシンプルな追進資料館に対して、下見板の外壁を濃茶色、玄関ポーチと窓枠や横框を白色に塗り分けてあるため、濃淡のコントラストが印象的で、軽快でモダンな外観に仕上がっています。
◆愛知県立農業大学校講堂追進館(旧愛知県追進農場講堂)/愛知県岡崎市美合町並末1-2
竣工:昭和10年(1935)
設計:愛知県建築部営繕課
施工:坂田組
構造:木造平屋建
撮影:2012/04/29
■北側正面外観~正門を入ってすぐ左手、追進資料室の南側に建つ
■切妻屋根の玄関ポーチ~両脇の柱は一見太く見えるが、L字型に配した3本の柱の間に羽目板を入れ1本の太い柱に見せている
■妻壁の中央にはガラリ(通風のためブラインド状の桟を固定したもの)風の装飾と両端に幾何学装飾が施される
■向かって右手の柱の看板には、連続テレビ小説「純情きらり」ロケ地の表示があります
岡崎はNHKの朝ドラ「純情きらり」(2006年放送)の舞台になり各地でロケが行われました(主演:宮崎あおい)
→純情きらりロケ地ガイド
■北東側外観~屋根は切妻の頭を切った半切妻形状
■南東側外観~濃茶色と白色のコントラストが印象的で、当時流行の表現主義風のデザイン
■講堂内部~東側の窓から撮影
室内には張り出した柱と山形トラスが一体となった架構部分が露出している
一番奥(西側)のステージ裏には天皇巡幸の際に使用された貴賓室も残る