部屋に飾る花を畑に探しに行くと、近所のおばさんがオクラの花を眺めていた。
「オクラの花はきれいね。実も良くなったわね。」
「まだもっとオクラは大きくなるんですけど、まだ土が良くないようで伸びませんね。」
「それでも、オクラの花はきれいだわ。」
「そうですね。花としてもオクラはきれいですね。」
オクラは食べるので、その花は活けることはないが、活けてもきれいな花だと改めて思った。いつか活けてみるのもいいと思ったが、食べることと、きっとそのとき悩むだろうとも思った。
花も良い、実も良い、それが無くなっていくのも当たり前で良い、抱きかかえられるよう土に戻るのが良い。すべては優しいものとしてありがたくある。
そして、今日、おばさんを喜ばしていた。その想いは暫しの間、自分をも喜ばせる。
風や雨で倒れても陽のあたる方へ向かって咲いている花があった。ガラスの器に水を入れて浮かべてみるのにちょうど良い花だった。
活けてみると、ほんとうに可愛い。
ありがたいことである。あたたかな優しい想いを与えてくれている。
それにまた感動する。
のんびり、のんびりと。