土曜、日曜といろんな人に会った。どちらもほんとうに楽しかった。
今日もいつもと変らぬような夏の陽が差している。音を立てる少し強く吹く風だけが自分に語りかけているように思う。
祭りのあとの寂しさを拭い去ってくれようとしているのか。
畑を歩く。
相変わらず、コリアンダーには油虫が居座っている。油虫が嫌うと言うマリンゴールドを近くに植えても、タバコの灰を回りにもまいても、彼らに旅立つ装いがない。
一度は綿棒で取ったりもしたが、またそれをしなくてはならないのか、強い日差しの下、コリアンダーをじっくりと眺めていた。
昨日、救世主が現れた。
二匹のてんとう虫が油虫を食べていた。「これは良い。がんばれ、てんとう虫。お互いの利点は一致している。」
今朝、コリアンダーを眺めた。二匹のてんとう虫は今日も居てくれた。「これは良い。まだまだ仕事はあるよ。」
自分のうちに欲が出てきた。もっとてんとう虫はいないかと畑中を探してみた。
がしかし、その欲はすぐに熱風に飛ばされた。どこを探してもてんとう虫は居なかった。
それならそうと、なおさらにてんとう虫を応援した。星を背負った丸い背中がとっても可愛い。
「全部食べれなくてもいい。好きなだけ、ここに居ると良い。」ほっぺたを上げて、またしばらく眺めていた。
気が付けば、祭りのあとの寂しさは夏の風がどこかに連れ去ってくれていた。