毎朝の日課のように雨が降っていなければ、タバコを一服しながら畑を歩く。
コリアンダーの根を太くして青々としている姿は微笑ましい。スイカも徐々に花を咲かせ、自分の陣地を増やしているかのようにその手を伸ばしていく。
ちょうど、今日、気が付いた。ひまわりが今、自分と同じ身長になっていた。大きな葉を広げ、立派になった茎はその大輪を支えるために身体を鍛えているかのように立派である。
近くに寄り、自分の頭を触ってから、ひまわりの頭を触って、その高さを比べてみた。何だか少し面白くなった。柱に傷を付け、その成長の記録をつける兄弟のような身近さを感じる。
きっと気が付かないうちにひまわりの自分の身長を超えるだろう。そして、大輪を咲かせる。葉たちは太陽の陽射しを申し受けるようにまわり、その中心には大輪が、それを見守る。
その姿は雄大であろう。その彼にはもうすぐに会えるだろう。
とうがらしも何本か生っていた。まだ青とうがらしだが、すぐに思う。カレーにはもう入れても大丈夫だって。それは楽しみを膨らませる。
小さな畑に育つものたちの静かな呼吸のなかに幸せが溢れている。その呼吸に自分の呼吸を合わせ、いまのありのままの姿を喜ぶ。
立派な梅雨が彼らを育てている。うまく成長するかしないかではなくても、育てている過程の今がある。彼らは健気にそれを受け容れている。
自分の心もそうありたいと呼吸を整え、深く息をし、その教えを頂いた。