今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

愛なき世界

2021年12月29日 | 「本」のひきだし

ブクログより



洋食屋の見習いの藤丸が植物を研究する院生、本村に恋をするお話。

料理人を目指して日々修行する藤丸は仕事場の店のすぐ近くのT大に出前など出入りするうちに本村さんに惚れちゃったんですね。
告白するも「葉っぱを見ている方がいい、というかだけ見ていたい」みたいに言われてフラれちゃう。

普通年頃の女の子がそんなこと言ったら「へっ?」て感じで即あきらめてしまいそうなもんだけど、フラ丸君めげもせず、理解をしようとまでもいかないけれど(できないやろ)おいしいものを作ってあげたり、話を聞いてあげたり(あんまりないか)フラ丸君なりにサポートする姿がけなげです。

私は最後にはフラ丸君の熱意にほだされて、本村さんがついになびいちゃうのかなと思ったんだけど、そこは他の大学からT大に院生として入ってくるような人ですから、そう簡単にはいきませんでしたね。残念。
しかし、一介の料理見習のフラ丸君、臆することなく堂々とT大に出入りして(まあ仕事としてでが)研究に没頭する院生たちとわからないまま自分の意見を述べたり感想を言う、時には仕事中だというのを忘れていたりして。

二度もフラれながらも自分の夢に向かって邁進する、一日の終わりには研究所で株分けしてもらったさぼてんの世話も欠かさない、愛すべき青年フラ丸君頑張れ!!
なんか私まで元気が出るようなそんな一冊でした。


愛なき世界 / 三浦しをん




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