ブクログより
戦後最大の未解決事件である「グリコ・森永事件」
関西圏での事件でもあり、自分の中では今なお風化していない感がある。
年末の大特集のテーマとして、改めてその取材の命を受けた新聞記者。
そして父の遺品の中から事件に関連するノートと、脅迫に使われたと思われるカセットテープを見つけてしまったテーラーを営む男。
一人は仕事で、一人は自分の身内が犯人かもしれないという真相を探るため、小さな手がかりから少しずつ真実に近づいていく。
そうして二人は必然的に出会うこととなり、二人が最終的に見つけ出したものは・・・
犯人は現実には見つかっていないのだから、これは作者の完全なフィクションである。
けれど、この事件には実はこんな出来事があったんだ、こんなこともあったんではなかろうか、いやあったのかもしれない、と思わせるストーリーだ。
ストーリー自体はフィクションだが、事件に関して、脅迫状や、電話の内容や捜査上の出来事などは事実に沿って書かれているのでよりリアルに当時の様子が思い出される。
本当のところはどんな人間ドラマがあったのだろうか。
罪の声 / 塩田武士
2017
《本日の暦》
白露 二十四節気
草露白(くさのつゆしろし) 七十二候
草花に宿った露が白く光って見えるころ。次第に涼しくなり本格的な秋が訪れます。