~前回の続き~
前回の記事でE-Girlsはキテル!と取り上げ、彼女達を「アイドル」として定義しましたが、本当言うとアイドルであるとかないとか、そういうジャンル分けはあまり重要とは思っていません。大切な事はもっと別にあるのではないかなと。
歌って踊るグループを「ダンスボーカルユニット」と表現する事があり、東京女子流はエイベックス側はそう定義して呼んでいます。しかし、女子流はアイドルとの競演も多く、握手会などのファン交流イベントも多い。また、「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」には第一回目からずっと出演している。観る側は女子流を(歌って踊る)アイドルとして楽しんでいる人が多い。そういえば、TIFと言えばE-Girlsも昨年出演していたりします。アイドルというクロスオーバーなジャンルは、「ダンスボーカルユニット」という存在も内包している。そして、ハロプロもそのひとつだと思います。
お正月に新春アイドル横丁祭というライブに行きました。たくさんのアイドルが出演していて、その個性の競演が楽しかったのですが、その中のひとつ「Dream5」はまさに「歌とダンスで魅せる」グループであり、「ダンスボーカルユニット」でした。でも、だからと言ってDream5がその日の出演者の中で浮いていたという事もなく、やはり歌って踊る事を持ち味とした「アップアップガールズ(仮)」は勿論、ロック系サウンドのグループや、正統派かわいい系ポップスのグループと並んでも馴染んでいました。
Dream5 / シェキメキ!
(この曲が特に気に入りました。爽やかさとクールさを兼ね備えたこのグループらしさ溢れるナンバー)
ダンスはきちんと揃っていて見栄えが良く、メンバーも爽やかで華のあるステージングを見せてくれた。好印象の残るステージに、私は単独ステージも観たいと思い、ある日シングルリリースイベントに足を運びました。会場は普通に曲間に掛け声も起こるような雰囲気で、メンバーと同年代の女の子の姿も結構見かけ、明るく楽しい空間でした。同じ会場でE-Girlsや東京女子流やDancing Dollsも観た事がありますが、着実にダンスボーカルユニットというジャンルはアイドル的な華やかさも備えながら、広い層に盛り上がりを広げつつあると感じています。
最近テレビや雑誌が「ハロプロはキテル!」という取り上げ方をする事を見かける機会が増えてきました。これは関係者の営業努力も大きいと思いますが、時代が求める女性グループ像が「歌と踊りの高いクオリティ」なものにシフトしつつあるのが影響しているのではないか?と思えます。それまでK-POPが担っていた部分を日本のアイドルグループが取って代わる流れになってきているのだと、そういう事なのではないかと考えてみたりします。それは「憧れられる存在」という事へもつながっていく。
地下アイドルや地方アイドルの憧れているアイドルの名前によくハロプロメンバーの名前が挙がっています。現状の人気差を考えたら、AKBに人気で大きく差をつけられている筈のハロプロ。その人気差を考えたら「アイドルが憧れるアイドル」にハロプロの名前が挙がる割合は世間に於ける人気差とは違って高い。それは、ステージに立つ側も「歌って踊る」事のクオリティに目を向けていて、そこにそれぞれの理想があり、今のアイドル界が形成されているのだと理解出来ます。演じる側の理想、応援する側の求めるもの、ちゃんと近づいてきているのだと感じます。
そんな時代に、ハロプロだけが売れればいいという訳ではなく、他の事務所の「歌って踊る」グループ、そうダンスボーカルユニットな人達もどんどん盛り上がって、このジャンルが楽しくなっていったら良いなと思っています。