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ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

鞘師里保と音楽

2015-12-30 23:25:37 | ハロプロ(娘。)

 今回書いた記事は実は八月に書いて、そのままお蔵入りしていたものですが、明日卒業する鞘師里保ちゃんへ贈る記事としてアップいたしました。



 夏になると見かけるテレビの映像のひとつに、戦争関連の映像がある。今年は戦後70年という節目の年だから、あちこちで戦争についての映像を見かける。

 先日、NHKの特番で「いのちのうた」という番組が放送された。広島と長崎にて、ベテランから若手までジャンルの様々な歌手の方々が平和を祈る歌を披露した。
 その番組にモーニング娘。が出演した。歌う曲は放送前に判明していて、民放の定番音楽番組ではないので宣伝のために歌うのではないゆえに、それは青春小僧やチキブンではなく「雨が降らない星では愛せないだろう?」だった。
 現在の娘。メンバーはこの曲が発表され当時に在籍していた人は居ない。そういう時空や歴史を超えて持ち歌を表現できるのがモーニング娘。の良いところだ。曲も番組の主旨に外れていないと思った。

 モーニング娘。は広島の原爆ドームの近くで歌を披露した。歌う彼女たちのうしろに水面がゆったりと揺らいでいる。広島市は川の多い街だ。昭和20年8月6日、大勢の人が川のそばにやってきて、そしてこの世を去った。
 今こうして繁栄を得た街で、静かに歌を歌うことが出来るというのは平和な世の中になったから。モーニング娘。も平和を噛み締めて歌っているように見える。そんなメンバーの姿が、白いドレスな事も相まって清楚で美しい。歌だって、自分が想像していたよりずっとずっと素晴らしい歌声だった。私は心で大きな拍手を送った。

 歌が終わり、真ん中に立っていた鞘師里保の瞳が潤んでいることに気づいた。鞘師は広島市ではないが広島県の出身。彼女なりに平和について、原爆について、思うところがあるのだろう。その表情を見ているだけでも、こちらの胸も締めつけられそうになるのに、続いて横を向いた鞘師の横顔があまりに優しいものであったので、私は息を飲んで画面を見つめた。
 少し首をかしげて夜空を見つめる鞘師の潤んだ瞳には何が映ったのだろう。平成の時代の平和な夜空の下で、モーニング娘。が祈りを捧げるように奏でた歌声は、しっかりと夜空に響いていた筈。鞘師の横顔を映す映像を見ながら、そう確信した。


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