フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

ロマンチックによろしく 12/6千秋楽レポート ~演技に感じた事~

2009-12-07 23:18:31 | ライブ!2009
 「ロマンチックにヨロシク」の観劇レポート続編です。

 ハロプロ関係者三人の演技は果たしてどうだったのか?結論から言うと、ビックリしました。予想より良かったのです。
 私は後ろの席だったので半信半疑だったのですが、帰宅後ネットで観た人達の感想を読むと、どうやら「ノーマイク」だったようです。舞台なんだから当たり前だと言われそうですが、その当たり前をやって来なかったのが今までのハロプロ。
 まあ、大きい会場であったり、芝居は本業ではない、などといった事情があるにせよ、せっかく芝居をやるなら、ちゃんとノーマイクでやる。今回は特別扱いをせずに、それをさせた劇団に感謝。

 そして、メンバーもそれに応えました。たとえば、第一部の「スナック聖美 最後の夜」に出演した保田圭さんと矢島舞美ちゃん。
 その保田さんがとても良かった。ママの雰囲気をよく出していたし、背中で哀愁を表現できていた。
 保田さんと対照的に、世間知らずな女の子を演じた舞美も、声を可愛く作り、仕草も純情な女の子を上手く出せていました。ソファーに座りソワソワする演技の初々しい感じは、ちゃんと役に入っていたし、長い手をジタバタさせて身振り手振りでアピールする時の必死な感じも、世間知らずな子が映し出されていました。
 舞美が今までの舞台で演じてきた役は元気な感じの女の子だったので、今回の役は新境地を開拓出来たのではないでしょうか。

 そして、なっきぃ。誘拐少女を演じるなっきぃは、セーラー服で登場。歌手を夢見るスミレちゃん役。
 このスミレちゃんは夢の実現を信じて疑わない無垢な女の子で、このキラキラ感を出せるハロプロの子と言えば、瞳のキラキラ感ではハロプロ随一のなっきぃしかいない。適役過ぎてまぶしかったです。
 そして、齢を重ねて夢を見失いながらも、あの日スミレが口ずさんだ歌を忘れていなかった聖美ママを演じる人も、歴代モーニング娘。メンバー随一の瞳のギラギラ感のある保田さんしかいません。お互いハマり役だった訳です。

 日によっては、終演後に出演者によるトークショーがあったそうなのですが、そこで保田さんがこんな事を言っていたそうです。

 圭ちゃん 「感想が書いてあるファンの方のブログを読んでいたら、なっきぃのファンが 「20年後圭ちゃんなんて。。。」 って書いていた。大丈夫。なっきぃは私のようにはならないから」

 この舞台は、一人の女性「春野スミレ」の人生の物語。夢を抱き信じていた17歳(なっきぃ)。しかし、夢は叶わず、お金という現実に振り回される38歳(ヤスス)。歌手になりたいという、かつての自分と同じ夢を描いた娘を理解してあげられず、その娘を事故で失う58歳。イバラの人生と言えましょうか。
 しかし、それは程度の差こそあれど、大人になっていく上で誰もが経験をしていく現実と挫折の過程でもあります。
 私は舞台を観ながら、なっきぃや舞美が幸せで夢をある程度は大切に出来る大人になってほしいと願いながら演技を見つめていました。

 ℃-uteという場所が紡ぎ出す夢と現実が、今の二人をどう育んでいるのか?少し心配になりながらも、保田さんがなっきぃが私(聖美を指しているのだと解釈)にはならないと言ってくれた言葉を救いにしながら、℃-uteのこれからを思い描くのでした。

 今回、パンフレットにてわかった事は、舞美&なっきぃは週一で演技レッスンを受けているという事。これは、明るい未来に向けた明るい事実です。
 今のアイドルとしての枠に収まって終わりではなく、常に成長を目指す事は大切。今回の舞台はハロプロ主催の舞台とはまるで違う舞台でした。これから少しずつでも演技の方面を真剣に歩んでいくのだとしたら、その舞台に出られた事はとても喜ばしい事。
 ℃-ute歌担当、℃-ute芝居担当、℃-uteお笑い担当、それぞれの得意分野で、それぞれが℃-uteを離れて活動して、それを℃-uteにフィードバックしていけたら素晴らしいなと思います。

 そんな今回の舞台、見終えてからしばらくの間「何だかなあ」と思い続けていました。何故か?
 「もう一度観たくなってしまったのです」
 しかし、自分が観たのは千秋楽公演。もう一度観るにはDVDを買うしかない(苦笑)。終演後、ロビーでDVDの先行予約を受け付けていました。巧いなあ。
 もっとも、キャパ300人ほどの会場とあって、当日券の販売はなかったみたいなので、他の回を観ていても再度観る事は難しかったのですが。

 人生の転落というものを描き、その少女時代を現役アイドルに演じさせ、その21年後を元国民的アイドルグループのメンバーに演じさせる。その38歳との対比として、主人公の17歳当時と同じキラキラ感を持った子を登場させて、その子は17歳時を演じた子と同じアイドルグループの子。過去と現在のシビアな縮図。
 そして、主人公(の17歳時)の名前が「スミレ」という設定。これは、色々深読みしてしまいます(スミレは、S/mileageのヲタ的呼び名でもある)。現在と未来の縮図。

 でも、これは予言ではないのです。反面教師としての春野スミレの生涯。そして、夢は叶うものだという青春芝居ではなく、夢をいつまでも純粋に持ち続ける事の難しさを描くというところに、舞美&なっきぃに「色々あるかもしれないけれど、キラキラ感を忘れずに大人になってほしい」という願いが込められているのではないか?そんな風に思いました。そして、保田さんもまだまだ夢の途中であるという事を。

 保田圭ブログより
http://ameblo.jp/kei-yasuda/entry-10405530776.html

 この日の観客は大変マナーが良く、客席には℃-uteファンだけでなく、保田さんファン、劇団のファン、そして芝居好きなファンも居た中で、非常に大人な雰囲気でした。千秋楽という事で、カーテンコールで座長より役者紹介があったのですが、どの方にも分け隔てない拍手、そしてその役者紹介のトリがなっきぃであった事も付け加えておきます。

 舞美、なっきぃ、とてもいい経験でしたね。これからもこういうチャレンジをどんどんしていってください。保田さん、あなたの存在感は素晴らしかったです。二人も保田さんから色々学んだ事でしょう。また、一緒に芝居をやってほしいです。そして、劇団の方々お疲れ様でした。DVD、買いたいと思います。

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4 コメント

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謙虚 (Jasmine029)
2009-12-08 00:43:19
こんばんは。
それぞれの枠に収まらずに各メンバーが様々なジャンルを活動していく というのを見て嵐を連想させてしまいました。
しかしその分だけ やはり原点である℃として活動したときは凄く楽しいと思うし改めてファンもそのありがたみに気づくのではないかと思いました。

舞台は℃の二人目当てのお客さんが多かったと思いますがケメコは謙虚な方ですね。"私のようにならないから"という言葉に少し寂しさを覚えました。歌唱力は少なくともケメコのようになって欲しいなぁ。もちろんナッキー独特の声を大事にしながら^^
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劇場にて (森のクマさん)
2009-12-08 22:01:48
最終日の2回見にいきましたが、明らかにゲキハロとは違う舞台を楽しませていただきました。

最初の圭ちゃんの長ゼリフで度肝を抜かれ、今までのソロ活動で圭ちゃんが身に付けたものをしっかり見せてもらったことに、まず感動です。更に最後の歌で、やはり歌手として後輩にその姿をしっかりと見せてくれました。

なっきーは、やはり希望に満ちた初々しさでしょうか? 捕まっている刑事さんに向かって無邪気に両手を前に出して「頑張って~」というセリフはお似合いでした。

舞美は、ゲキハロでのリーダー的役では無く、より素に近い役柄がお似合いでしたね。セリフも仕草も天然っぽく「可愛い背伸びをした舞美」を見ることが出来ました。ただ、双眼鏡で見ていると、中に着ているもののラインが薄手の衣装に浮き出ていて、ちょっと目のやり場に困ってしまったのは、オジサンだからですね、きっと・・・

これからも、こういう舞台を期待します。事務所の皆さん、よろしくお願いします。
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観劇しました (OGファン)
2009-12-09 21:03:20
お久しぶりです。またお邪魔しています、OGファンです。
舞台はOGメンバー中心に、ゲキハロなんかにも足を運んでいます。「寝る子は℃-ute」を見て、なっきぃにはかなりハマってしまいました。現役で1番応援しているメンバー、そしてグループです。


「ロマンチックにヨロシク」は、本当に素晴らしい作品だったと思います。℃-uteを離れて頑張った舞美となっきぃは予想以上の演技で、今後が楽しみになりました。


なっきぃの歌と、圭ちゃんの歌に一人の女性が歩んだ歳月を感じましたね。2人は歌手なので歌は歌として分けて考えたくもなりますが、舞台上ではあくまで芝居としての歌なわけです。歌手としての技術や歌唱力は別として、その歌で何を表現したのかに注目したいです。

少女のスミレであるなっきぃの歌は、純粋で夢や希望に満ちた歌でした。目の輝きのようにキラキラしていて淀みがなかった。

大人のスミレである圭ちゃんの歌は、人生の積み重ねを感じる歌でした。苦しみや悲しみや挫折を経験し、夢見るだけでは生きていけないことを知っている歌。

どちらの歌にも感動しました。どちらの歌にも、その時代のスミレが表現されていたと思います。


なっきぃ、そして舞美も、20年後がどうなるかは本人次第。現在の圭ちゃんの年齢をも越える30代半ばになった2人が、ただカワイイだけのアイドルでは生きていけないことは確かです。こういう素晴らしい経験を積んで、才能を伸ばしていくことは大切だと思います。そういう意味でも、同じアイドルを生きた圭ちゃんとの共演は意味があったと思います。あのブログを書いた方は、20年後のなっきぃに何を求め、どのような姿を描いていらっしゃるのでしょう?

圭ちゃんがアイドルを卒業して女優という道をしっかり進んでいることは、あの演技を見てわかりました。ずっと間近で見ていた舞美となっきぃも感じたのではないでしょうか?歌を芝居と切り離して考えてみると、歌の上手さも健在です。演技力、歌唱力、少しでも影響を受けて欲しいなと思いました。

個人の才能を伸ばして、℃-uteとして活動するときにその力を集結できれば、℃-uteの可能性はまだまだ広がると思います。楽しみです。


長くなりましたね。すいませんm(_ _)m
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いい舞台でした (管理人)
2009-12-11 00:35:58
コメントありがとうございます。

>Jasmine02さん
こんばんは。嵐がまさにそうですが、℃も一人一人がパワーを付けて、それをグループにもフィードバックしてほしいと思っています。それが良いグループへの第一歩ですね。
ヤススの言ってた「私のようにならない」は、役のような夢破れてみたいな大人にはならないという意味だと思います。歌唱力については、少しでも近づけるよう、二人にはより頑張ってほしいと思っています。

>森のクマさんさん
参加お疲れ様です。いい舞台でしたね。
保田さんのパフォーマンスはサスガと言えるもので、歌は背筋がゾクゾクしました。
なっきぃと舞美も役柄にピッタリとはまっていましたし、それは二人の努力の結果と、良い配役を与えてくれた演出の太田さんに感謝します。
もう一度観たいので、DVDを買う予定です。後ろの席だったので、表情の細かい部分などを改めて観たいです。

>OGファンさん
こちらこそ、お久しぶりです。
いい余韻が残る作品でしたね。劇団の人達に囲まれても存在感を失わないどころか、重要な役を与えられても違和感がない三人でした。
なっきぃの「寝る子は℃-ute」というと、モノローグのシーンが思い浮かびます。あのシーンも澄んだ瞳のなっきぃでしたが、今回も夢見る少女を澄んだ瞳で演じていて、観ている人の多くの心を洗ったのではないでしょうか。
そして、そこから21年後を演じた保田さんの存在感。歌の圧倒感。いい意味で二人は対照的でしたね。これ以上ない役柄だったと思います。
二人ほどは目立っていなかったかもしれませんが、舞美もとても良い演技でした。演技というより、かなり自分の良さを役柄に反映させてうまく見せていたように感じます。
そんな℃-uteの二人の演技に対する真摯な姿勢に相応しい見本が保田さんであったと思います。保田さんの姿はとても良い参考になったと思います。また、いつか共演してほしいですね。
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