フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

「こけぴよ」を知る

2013-04-13 22:21:28 | アイドル etc

 先月、秋葉原で行われたアイドルライブに行きました。複数のグループが出演、数曲ずつの持ち歌を披露していくフェス形式。会場はフラットな作りで、推しグループの出番になったらヲタは前方に移動して応援するというオーソドックスな進行でした。
 出演グループは半数以上は観た事があるグループでしたが、観た事がないグループを楽しみに来場しました。
 その多くはスタンダードなアイドル音楽の作りであり、ステージが終わると観覧スペース後方に設けられた物販エリアにアイドルは移動して物販販売を開始という流れで、ステージがメインなのか、物販がメインなのかはグループによって姿勢は異なっていたようですが、基本的には推しグループのステージと物販を楽しむイベントと言えましょう。よくあるスタイルでおります。

 スタンダードなアイドル音楽と言えども、それぞれが個性を表現しているから、その個性に惹かれれば楽しく観られるステージもあり、いくつかのグループは結構楽しく観る事が出来ました。
 そんな流れの中で突然「こけぴよ」というグループが登場しました。名前はネット上で見た事があるけれど、どんな歌を歌っているのかはわからず、なんとなくグループ名でイロモノ系なのか?という先入観を持っていました。
 いきなりフリートークを始めたこけぴよメンバーは10代前半と思われ、そのトークの空振りっぷりに少し距離を置いて観ていたわけです。しかし、歌が始まると場内の雰囲気はガラリと変わった。先程までは他のアイドルの歌でMIXを打ったり、叫んだりしていた観客がシーンと静まり返り、自然と観客は床にしゃがみ、ステージに立つ一人の少女の歌に耳を傾けます。その透き通るような高音、ピアノだけのバックトラックと歌声が溶け込み、気温の上昇していた会場に涼しげな風を吹かせたような、そんな気分になりました。

 こけぴよは、そのあとも次々と出し物を用意してきた。ほとんどのアイドルグループが全員で歌い踊るオーソドックスなスタイルである中で、一人が歌い、数人が後ろで踊るスタイルをとり、その歌でストレートに勝負している。歌声はポップス的な抑揚のついた歌唱ではなく、まっすぐに歌い上げる舞台的なもの。ダンスは振付的なものではなく、バレエのようなしなやかさで表現するタイプのもの。明らかに歌もダンスも他のアイドルとは異なる世界観を表現していた。
 他の人と同じようにしゃがんで観ていた私は、ステージが終わると立ち上がって大きな拍手を送った。まさに、これぞスタンディングオベーション。

こけぴよ あおむしちゃんの 「Dear my tiara」


 音楽的にアイドルというジャンルは今の日本の音楽界で一番面白いのではないか?と思う理由が、ジャンルというものにクロスオーバーなところであり、その要素に対して作り手が非常にアクティブである事。だから私はアイドルによる様々なジャンルの表現を体感するために、いろんなアイドルを聴き、気に入ったものがあれば現場に足を運びます。この日、新たにアイドル音楽の新星を見つけた気分になったのでした。

 帰宅後、ネットで調べると彼女達はミュージカル劇団に所属している事がわかりました。ミュージカルを学んでいる子達だからこその歌唱法でありダンスであったと、納得しながらYouTubeでいくつかの動画を見ました。
 動画で見る分には、まだあどけない女の子達が未完成なステージングを披露しているようにも感じるけれど、あの日にステージで観たこけぴよはとても輝いていて、とても個性的なステージを見せてくれた事は確かであります。
 ダンスが上手い少女というものは別にハロプロやエイベックスにしか居ないという事はなく、全国にはそれぞれのカテゴリーで日々腕を磨いている人達が存在しています。少女歌劇というジャンルにも逸材がたくさんいる事も以前から承知していました。それでも、いつしか脳裏から消えていたこのジャンル。それを思い出させてくれたこけぴよに、アイドルという音楽世界の奥深さを改めて教えてもらった気持ちです。

コメント
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