フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

マイナーの存在証明

2005-10-28 23:25:58 | フリーテーマ

 今回は少し堅い文になりそう…と前フリしときます。

  先日行われたプロ野球日本シリーズは、千葉ロッテマリーンズの日本一で幕を閉じた。マリーンズの皆さんおめでとうございます。それにしても、マスコミの偏重報道っぷりは凄かった。テレビ・新聞をいちいち全てチェックしている訳ではないから全容は知らないけど、阪神阪神…のオンパレード。ロッテって何?という具合だ。

 マスコミとその影響下にある人々にとっては「人気が正義」なのだろう。不思議なのは、プロ野球というたくさんのファンを持つメジャーなジャンルに、そのプロ野球ファンさえもよく知らないマイナーな存在が何十年も活動しているという事。そして、その不条理に意を唱える者が少数派という事だ。

 マイナーの中に於けるマイナーというのであれば、ハッキリ言ってB級またはC級モノという事に落ち着くのだろう。もちろん、マイナーにはマイナーの良さもある。ハロプロで言えば「メロン記念日」だ。メロンの面白さはメロンにしか出せない。

 でも相手は人気商売のプロ野球。電車の前の席のおっさんが広げている新聞記事にも、会社のあちこちでおっさんが交わしている話題も、プロ野球ネタが多い筈。って、おっさんばかりか…

 パシフィック・リーグのチームは長らく、そのような世間の関心からは離れた位置で存在し続けてきた。

  以下は、スポーツライターの玉木正之さんの著書の中にあるエッセイから要約を抜粋したもの。引用はなるべく避けているつもりだが、今回はあえて引用する。  

 

 京都に住んでいる玉木少年は、夏休みになると宝塚に住んでいる叔父の家に預けられていた。野球好きの叔父は、玉木少年を自転車の後ろに乗せて野球観戦によく出かけた。子供心には華やかな甲子園球場の阪神戦に行きたかったが、叔父が連れていくのは甲子園から数kmしか離れていない西宮球場であった。

 西宮で行われる阪急ブレーブスの試合は、数万人の観衆で賑わう甲子園とは異なり観客数百人の閑散とした中で行われていた。その淋しいスタンドには女性の姿は皆無であり、背広姿の男性の姿すら少なく、多くはブルーカラーの男達であった。

 グラウンドでは、赤鬼と恐れられたブレーブスのダリル・スペンサーが相手選手の足を目がけて鋭いスライディングを試み拍手喝采を浴び、いかつい男揃いなブレーブスの投手達が打ち込まれようものなら、客席からは容赦なくブレーブスの投手にも野次が飛び交う。そんな身も震えるような大人の世界を垣間見た玉木少年は、やがてブレーブスとパリーグの野球にのめり込んでいく。

 ピアニストを目指し音大を卒業しながら、戦争によって音楽への道を絶たれた叔父は野球の試合は、巨人や阪神のいるセリーグの試合はまったく見ずにパリーグの試合だけを見た。

 

  世の中には、良い物を提供していても、面白い物を作っていても、檜舞台に上がってこられない物が結構ある。それらの存在を誇示するにはどうすれば良いのか?上にのし上がっていくしかないのか?それとも、記録より記憶を選ぶか?

 アメリカのビルボードヒットチャートには「1位の曲より2位の曲に名曲が多い」という通説があるという。そういえば、マリーンズのレギュラーシーズンの順位は2位だった。

  ハロプロも今や、名はメジャーでも実態はマイナーなポジションに落ち着きつつある。かつて、娘。の五期メンバーを「国民的アイドルグループの中のマイナー」と書いた本があったが、娘。自体がマスコミから遠ざけられつつある昨今「人気が正義」に振り回されたくないと思いながらも、いつかベリが1位になったら…などと妄想するのであった。あっ、1位より2位の方がいいのか。

    今回のBGM  Over The Rainbow (オズの魔法使いのテーマ)

             (千葉ロッテマリーンズのサポーターが初回にハミングする  曲。Jリーグの山形やセレッソ大阪のサポーターもキックオフ前にハミングしている。)

コメント (3)
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