今年を振り返ってみる記事。今回は秋を振り返ってみたいと思います。
秋に起きた出来事と言うと、梅田えりかちゃん卒業でしょうか。まさかの卒業であったので、卒業は未だにピンと来ないままです。春ツアーのステージ見たら6人いるんじゃないかとか、そんな幻想すら抱きます。いや、幻想を抱くなら、栞菜も、めぐも帰ってきて8人になる姿を観たい。
いきなり後ろ向きな出だしに、この人は疲れているのか?と心配をされた方、すいません。多分元気です(苦笑)、
今年という年は、振り返ると切ない事が多すぎます。振り返る事が心をネガティブにさせてしまう年でしょうか。切ないと言えば、10月の第一日曜日に、東京は中野サンプラザで行われたコンサートもそうでした。
その日、中野サンプラザのステージには松浦亜弥さんが立っていました。21世紀最初の十年間を代表するアイドルの一人、あややがバンドの人達を従えて歌で聴かせ、トークで楽しませ、充実した内容のコンサートでした。
あややと言うと、どうしても2002~2003くらいのアイドルとしての全盛期を比較対象にされてしまいます。確かに、あの頃のあややはとても輝いていた。コンサートを観に行けば、ステージ上の彼女は選ばれし者だけが放つアイドルオーラに包まれ、それはもう眩しかったです。
今は、彼女自身が重ねてきた年齢と経験が魅せる貫禄のあるステージングへと変化したように思います。私は今のステージも好きです。いや、今の方が人間味が感じられて好きです。
かつての松浦亜弥コンサートは、幅広い層が訪れていました。その流れもあって、今でも客層は幅広い。そして、いわゆる「ヲタっぽさ」が薄い現場です。
例えば、カップルが観に来やすい現場です。実際にそういう方々をよく見かけます。しかし、そういう雰囲気ゆえに、コアヲタが寄りつきにくい、或いは去ってしまった。そういう印象を受けるのも事実。
「幅広いファン層を掴んでほしい」私は今のハロプロにそれを望んでいますが、それが実現した場合の行く末として、松浦亜弥コンサートというのは一つの例になりましょう。それが好例か悪例か、その判断が今の松浦亜弥コンサートの評価そのものであります。ファン層の拡がりは良い事と受け止められれば、今の松浦亜弥コンサートも肯定出来る内容であると思います。
今のコンサートを好例として肯定する事は、それは同時に「ヲタが濃さを発揮して、会場が大いに盛り上がる」コンサートとは別な道を歩んでいる事を支持する事でもあります。そして、その路線は人気が伸び悩んでしまう事も事実として受け止めなければいけません。ヲタ的ノリも、アイドル人気維持のために必要という事になるのでしょうか?
結果的には、ヲタ的盛り上がりとは別次元の方向を目指した事で、あややはあややというより「松浦さん」になってしまいました。それが不満だという人は観に来なくなり、CDも買わなくなってしまった。会場の雰囲気は昔から変わらず良い雰囲気ではあるのですが。
今年、ハロプロの現場ではいわゆるサイリウム祭というものがエスカレートを見せ始め、今やただサイリウムを振るだけではなく、何か仕掛けをするのが当たり前のようになって来ました。卒業公演のような特別なものではなく、誕生日(それも公演当日が誕生日ではなくても)でそのような仕掛けサイリウム祭をやっています。
前述の松浦亜弥中野公演はDVD収録があり、このツアーが終わると、しばらくツアーは行わない事も事前に発表されています。最近のハロプロ現場のパターンなら、サイリウム祭が開催されてもおかしくない状況。
しかし、サイリウム祭はこの日行われず、代わりにと言ってはおかしいかもしれませんが、松浦さんの涙というサプライズがありました。
ただ厳密に言うと、涙は流していません。流れそうな涙を我慢して、その間はステージの時が止まりました。あややコールもなく、静かに第一声を見守る観客。そして、松浦さんはこの曲を歌います。
想いあふれて (2009.10.10.4中野サンプラザ)
「どうか忘れないでほしい あんなに愛していた事」「大切に守りたいよと泣いた日があった事」
アイドルを長く応援していく事は、過去形が増えていくという事を認識した2009年のハロプロでした。だけれど、松浦亜弥さんのステージはまだ過去にしまい込むには早すぎます。幻想ではなく、来年また松浦亜弥さんがホールクラスのステージで歌う姿を観たいし、観られますようにと星に願いを賭ける冬の日です。