3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

成田空港のワクワク感

2019-10-17 15:37:34 | DVDノート
江國香織さんにとっての空港 成田、フランクフルト……自由な気持ちになれる場所

というエッセイを読んだ。
「20代のころ、よく行っていたのが成田空港だそうで・・・・朝の9時くらいにリムジンバスで新宿を出発して、お昼前に成田空港へ着き、一日中空港にいて、夕方になって夜になる、というのを見届けてから、またリムジンバスで帰ってくるというのを、よくやっていたんです」

!!!
成田空港にいっていたというのに驚く。

そう、海外に行かないのに国際空港に行くという感覚、すごくわかるのである。
リムジンに乗るかどうかは別として、あの海外に行くときのワクワク感を味わいたい気持ちがわかる。

「・・・ドイツのフランクフルト空港も好きです。あの空港に行くためだけにドイツに行きたいくらい。広くて機能的で、いろんなところにつながっているし、ビールが飲めるところがいっぱいある(笑)。何か、空港にいると自由な気がするんです」

同感である。
フランクフルト空港、いいいですよね。

コーヒーと焼きたてのパンとそして香水のかおりが混ざったあの感覚に会いたくて成田にいきたくなります。私も時々。
成田はヨーロッパの文化の窓口なんです。

ドイツに行きたくても行けない私はせめて成田空港でコーヒーとパン、そして香水のかおりに酔う、といったところである。


「旅 上」   萩原 朔太郎



  ふらんすへ行きたしと思へども

  ふらんすはあまりに遠し

  せめては新しき背広をきて

  きままなる旅にいでてみん。

  汽車が山道をゆくとき

  みづいろの窓によりかかりて

  われひとりうれしきことをおもはむ

  五月の朝のしののめ

 うら若草のもえいづる心まかせに。

           (『純情小曲集』 1925年刊)

朔太郎的にいえば、せめて当たらし背広きて気ままなたびにでようか、というところだ。

ドイツの街角を思い出している。
ああ、次はいつ行くのだろうか。
せめて、秋を装い、香水を振り、焼きたてのパンとコーヒーの香りに酔おうか。

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2019.10.14バルコニー便り: 台風19号の大きな傷跡 

2019-10-14 12:48:21 | 日記
台風19号は関東、東北地方に大きな爪あとを残して被害は今なお進行中である。
全体像を把握する努力を国自治体はすべきである。
都内は神田川の環状七号線地下調節池のおかげで、利根川は渡良瀬遊水地のおかげで?大水害に至るを免れている。
しかし栃木や長野などは大変である。仙台も大変そうである。

千曲川の決壊はショックである。
島崎藤村の千曲川旅情の歌を思い出す人も多いであろう。
                             
小諸なる古城のほとり
雲白く遊子悲しむ
緑なすはこべは萌えず
若草も藉くによしなし
しろがねの衾の岡辺
日に溶けて淡雪流る

日本列島改造で日本全国開発が進んだ。
護岸はどうだったのだろうか。忘れられているのではないだろうか。とくに地方のメンテナンスは忘れられているように思える。

あらゆるものが劣化している日本。
少子高齢化で人が足りず末期的状態。

平成の大合併で自治体も合理化が進み公務員はリストラされ自治体の手厚いサービスはなくなった。
公務員が多すぎるという議員がいるが、間逆である。
公務員を減らして民間にやらせるのは邪道である。

公務員を増やして多くの公務員労働者にして税金で給料を払うというほうが効率的である。合理的である。雇用の機会の拡大につながる。

民間なんてものは、自社の利益のためには血道を上げるがコスパの低い子どもや高齢者や地方の人口減少地域なんてのは金にならないとみるや切り捨て、撤退していくものである。そんなことはせず公的な責任を果たすべき身を粉にして働く公務員こそ必要とされている。

劣化の原因は国、地方自治体の力が劣化したからであり、政府の責任が大きいのである。
金持ち優遇を転換し金持ちからたくさんの税金を徴収するシステムに変えるべきである。

消費税はそれなりに必要だが、金持ち優遇税制を即刻やめなければ日本は沈没してしまう。

東京や六本木周辺だけ生き残ってなにがうれしいのか。
食や人と大都市に供給してきた地方を見捨ててよいはずがない。




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