3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

認知症男性の徘徊事故、家族の賠償責任認めず 最高裁判決 JR逆転敗訴 ー 本当によかった

2016-03-01 15:54:02 | 現代社会論

認知症男性の徘徊事故、家族の賠償責任認めず 最高裁判決
JR逆転敗訴
2016/3/1 15:06 日経

 愛知県で2007年、徘徊(はいかい)中に電車にはねられ死亡した認知症の男性(当時91)の家族にJR東海が損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、妻に約360万円の支払いを命じた二審判決を破棄し、家族の賠償責任を認めない判決を言い渡した。JR側の逆転敗訴が確定した。

 一審・名古屋地裁は長男の監督責任と妻の過失責任を認め、2人に約720万円の賠償を命令。二審・名古屋高裁は長男の監督責任は認めなかったが、妻は監督責任があったとして約360万円の支払いを命じた。

 上告審では同居していた妻と離れて暮らしていた長男の責任の有無が焦点になっていた。

 上告審で家族側は「家族の誰かに監督責任があるとすると認知症患者に関わりを持たない以外に方法がない」として監督責任を否定。妻は必要な注意を払っており賠償責任もないと訴えた。JR側は「妻だけでなく介護の方針を決める立場にあった長男にも監督責任がある」と主張していた。

 一、二審判決によると、男性は07年12月7日、自宅で介護していた妻らが目を離した間に外出し、愛知県大府市のJR共和駅構内の線路に入って電車にはねられ死亡した。男性は認知症で常に介護が必要な状態と診断されていた。JR東海は家族が監督義務に違反していたとして、振り替え輸送費など約720万円を支払うよう求めて提訴した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まっとうな判決、本当によかった。
監督責任を問うとした一審、二審の判決はひどいと思っていたが、認知症やその家族の願い、介護現場の人々の思いが理解されたのだろう。

ていうか、当たり前だと思うのだが。

一審二審の判決が現実を知らない裁判官の判決で、この判決に対して批判が集まっていた。

これからは、司法修習生には、半年の介護実習を必修にしたほうがいい。
在宅の高齢者の介護、認知症の介護の実際を知らない裁判官に何がわかるというのか。

一審、二審の裁判官の顔が見たいものである。
裁判官の資格なしである。
これからも裁判官として働きたいなら介護実習をしてからだ。

監督責任を問うのなら、こういう認知症の高齢者の見守りをきちんとできない自治体とか、サービスを十分用意できない厚労省が裁かれるべきであり、個人のしかも高齢の妻や別居する長男などという個人に責任を取らせるなんて勘違いはなはだしいのである。

認知症の人々をベッドに縛り付けたり鍵を閉めて閉じ込めることは人権侵害である。
自由な活動を続けることが人権を守ることである。
それを実現できない社会なんて、成熟した社会とはいえない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする