3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

曽野綾子は産経の「労働力不足と移民」の記事について謝罪すべきである 2 介護労働に対する侮蔑的態度

2015-02-24 12:00:44 | 現代社会論
私は曽野綾子の産経の記事を読んで、わが国の知識人?と言われる人の差別と偏見、見識のなさに愕然とした。
だいたいあの産経の記事は、アパルトヘイトの問題だけでなく、あまり世の中が話題にしないのが不思議なのだが、介護労働への侮蔑的な言い様はどうなのか?

介護労働者が足りなくて人手不足であること、賃金が低いこと、とくに東京などの大都市では介護労働者が足りなくて悲劇的な状況である。
その背景には、介護労働はだれでもできる主婦の家事の延長のようなものと考えられていて、が故に低賃金であるし、女性労働であるということでさらに非正規の低賃金労働になっているということがる。

時代は変わったのである。
高齢化社会になって、介護労働が主婦の片手間の仕事では足りなくなったのである。
曽野綾子のような高齢者の女性が病気になって、生活支援が必要になって、入浴や食事や排泄などの支援が必要になり、そういう介護が必要な人がおびただしい数で増えているのだ。
移民を入れてもいいが、だからといって、ごはんたべる?程度の日本語で孫がやるような介護で事足りると言い切る曽野綾子の社会常識の欠如は、どうなのか。憤りを感じる。
そういう感覚が徘徊する老人を拘束し抑制する介護を許しているのである。

母の看取って思うことは、介護労働は高度な専門性を持つものであり、もっと高い賃金を払い労働環境を整備しなければならない現代で重要な労働であるということである。

介護を経験したものはみなそう考えていると思う。
終末期の母を大切に扱ってもらって本当に感謝している。
孫がご飯食べる、というようなレベルでの介護とは全く異なる労働である。

曽野綾子は、高い専門性が要求される介護労働への侮蔑的な発言を撤回し、介護労働者に謝罪をすべきである。
そうでなければ、高齢社会をとても乗り越えられないと思うのである。

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