Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『東京裁判』トークショーに出演します

2019-07-28 | Weblog

いよいよ今週末リバイバル公開の映画『東京裁判』、アフタートークに出演します。

【トークショー】渋谷ユーロスペース 8月4日(日) 11:00の回上映後。

 

 

アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムをもとに、小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集、制作した映画『東京裁判』。
83年初公開から、今夏、36年ぶりにリバイバル。4時間37分。
 
公式Webにコメント書きました。
先月、初のロシア滞在中に書いたので、歴史と世界の推移を思い、なんだか不思議な感覚だった。
 
 

『東京裁判』は二度観るべし。

封切りの年、二番館の三軒茶屋中央で、観た。もう一度観ることができて、よかった。今この時代に、重く響く。

「戦争犯罪人」とは、何か。それを思うだけで、眩暈がする。「歴史の一ページ」ではない。そこには、具体的な、各々の価値観を生きた人間たちがいる。戦争という形で他者を蹂躙することを、当然のこととして、選択した者たちがいる。

「人間宣言」をした昭和天皇が免罪されたという経緯の胡散臭さ。天皇の責任を追究する判事ウエッブに、もうひと頑張りしてもらいたかったと思う。

様々な「都合」によって、戦時も、戦後も、当事者にとっては極めて重大なことが、いとも軽々と、決定されていく。「法廷の椅子が二十八しかないために罪を免れた者もいる」というナレーションには、戦慄する。

被告どうしの「なすりあい」の醜さ。そして、「これは日本軍隊の組織の中に育まれた非人間性の表れであった」というナレーション。私たちは、その「非人間性」が現在の日本に温存されているという事実を、認めざるを得ない。

それにしても、この国が、歴史に学ばない国であるということを、あらためて、とことん思い知らされる。

 

http://tokyosaiban2019.com/index.php?id=topsecond

 

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初めての「SF戯曲集」、『8分間 / ゴンドララドンゴ 』出ました

2019-07-28 | Weblog

戯曲集『8分間  / ゴンドララドンゴ 』(彩流社)、出ました。

彩流社さんによる「坂手洋二戯曲集」第5回配本。

このシリーズでは書き下ろすことになっている、解説、作品ノートは抑えめにしたが、それでも440ページである。

こんなに分厚い本になるとは思わなかった。『8分間 』はほぼ同じだが微妙に違う8分間が繰り返されるという劇だから、とにかく分量は多いのだ。

 

編集担当は、林田こずえさん。

彼女が選んでくれた、帯に引用されたせりふは、以下の通り。

「どっちみち死んじゃうのだから、愛しあわなければならない」(『8分間』)

「自分の命と引換えに世界中の人が救われるとしたら」(『ゴンドララドンゴ』)

そして、

「もう一人の自分」と対峙することで世界を捉え直す、「坂手SF」

と、まとめてくれている。

初めての「SF戯曲集」ということになるのだ。

 

このシリーズ、まだまだ続きます。

 

上演中の下北沢ザ・スズナリ『熱海殺人事件 VS 売春捜査官』ロビーでも販売しています。

 

四六判 / 440ページ / 並製  定価:2,400円 + 税 

ISBN978-4-7791-2422-8 C0074

http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2422-8.html

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